ルカによる福音書 16:24-30 JLB

24  金持ちはあらんかぎりの声を張り上げました。 『アブラハム様ーっ! どうぞお助けを。 お、お願いでございまーす。 ラザロをよこし、水に浸した指先で、ほんのちょっとでも舌を冷やさせてください。 この炎の中では、もう苦しくて、苦しくてたまりません。』

25  しかし、アブラハムは答えました。 『思い出してもみろ。 おまえは生きている間、ほしい物はなんでも手に入れ、思うままの生活をした。 だがラザロはどうだ。 全くの無一物だった。 それで今は反対に、ラザロは慰められ、おまえは苦しむのだ。 

26 それに、そちらへ行こうにも、間に大きな溝があって、とても行き来はできない。』

27  『ああ、アブラハム様。 それならせめて、ラザロを私の父の家にやってください。 

28 まだ五人の兄弟がいるのです。 彼らだけは、こんな目に会わせたくありません。 どうぞ、この恐ろしい苦しみの場所があることを、教えてやってください。』

29  『それは聖書が何度も警告してきたことではないかね。 その気があれば、いつでも読めるはずだよ。』

30  金持ちはあきらめません。 『でも、アブラハム様。 彼は、聖書を読みたがらないのでございます。 ですが、もしだれかが死人の中から遣わされて行ったら、彼らも罪深い生活から立ち直れるでしょう。』