43 「たくさん借りていたほうでしょうね。」シモンの答えに、イエスも、「そのとおりです」とうなずかれました。
44 それから、ひざまずいている女のほうをふり向き、シモンに言われました。 「ほら、この女を見なさい。 わたしがお宅に来た時、あなたは足を洗う水さえ出してくれませんでした。 ところがこの女は、涙でわたしの足を洗い、髪でふいてくれました。
45 あなたはあいさつのくちづけをしてくれなかったが、この女はわたしが入って来た時から、何度も足にくちづけしてくれました。
46 それにどうです。 あなたはわたしの頭にオリーブ油を注いでくれましたか。 それが、あたりまえの礼儀というものでしょう。 けれども、この女は足にこんなに高価な香油を注いでくれたのです。
47 だから、この女の多くの罪は赦されました。 この女がわたしを多く愛してくれたからです。 少ししか赦されない者は、少ししか愛さないのです。」
48 そして女に言われました。 「あなたの罪は赦されているのですよ。」
49 その場に同席していた人たちが、心の中でつぶやき始めました。「罪を赦すなんて、いったい自分を何様だと思ってるんだろう。」