1 さて、ボアズはさっそく広場に出かけ、目ざす相手を見つけました。「すみません。 ちょっと折り入ってお話ししたいことがあるんですが、いいですか。」二人は並んで腰をおろしました。
2 それからボアズは、町の指導者十人を招き、証人になってくれるように頼みました。
3 万事てはずが整うと、ボアズは話を切り出しました。 「モアブから帰って来たナオミのことは、ご存じですな。 実は、あの人がわしらの身内のエリメレクの畑を売りたいと言っている。
4 そのことをお耳に入れるべきだと思ったんでね。 ここに証人の方々もおられることだし……、よかったら、買ってください。 いかがです? はっきりしたお返事がいただきたいですな。 もしおいやなら、わしが買いましょう。 一番にそれを買い取る権利は、あなたにあるんですからな。 わしはその次というわけです。」「いいだろう。 買うことにしよう。」
5 「ところで、ナオミから畑を買い取るとすると、ルツをも妻に迎えてもらわなければなりません。 ルツは子供をもうけ、その地を相続させて、亡き夫の名を残さなければなりませんからな。」
6 「そんなことなら、おりるよ。 生まれてくる子にまで財産を分けてやるなんて、そりゃ困る。 あんたが買ってくれ。」