創世記 27:31-37 JLB

31 彼もまた父の好物の料理を用意し、急いで持って来たのです。「さあさあ、お父さん、鹿の肉を持って来ましたよ。 起き上がって食べてください。 そのあとで、約束どおりぼくを祝福してください。」

32  「何だと、おまえはいったいだれだ。」「いやだなあ、ぼくですよ。 長男のエサウですよ。」

33  なんということでしょう。 イサクは見る間にぶるぶる震えだしました。「じゃあ、ついさっき鹿の肉を持って来たのはだれだったのだ。わしはそれを食べて、その男を祝福してしまった。 いったん祝福した以上、今さら取り消すことはできない。」

34  あまりのショックに、エサウは気が動転してしまいました。 わあわあ泣きわめくばかりです。「そんな、ひどいですよ、お父さん。 ぼくを、ぼくを祝福してください。 ね、後生だから。」

35  「かわいそうだが、聞いてやれないな。 おまえの弟がわしをだましたのだ。 そして、おまえの祝福を奪ってしまった。」

36  「ふん、ヤコブのやつめ、全く名前どおりだぜ。 『だます者』〔ヤコブという名には、この意味もある〕とは、よく言ったもんだ。 やつは長男の権利も奪った。 それじゃ足りず、今度は祝福を盗んだってわけか。 お父さん、念のため聞きますが、祝福し残したことは、一つもないんですか。」

37  「すまんが、わしはあれを、おまえの主人にしてしまった。 おまえばかりじゃない。 ほかの親類の者もみな、あれの召使になるようにと祈った。 穀物やぶどう酒が豊かに与えられるとも保証してしまったし……、ほかにいったい何が残っているというのだ。」