創世記 27:33-39-40 JLB

33  なんということでしょう。 イサクは見る間にぶるぶる震えだしました。「じゃあ、ついさっき鹿の肉を持って来たのはだれだったのだ。わしはそれを食べて、その男を祝福してしまった。 いったん祝福した以上、今さら取り消すことはできない。」

34  あまりのショックに、エサウは気が動転してしまいました。 わあわあ泣きわめくばかりです。「そんな、ひどいですよ、お父さん。 ぼくを、ぼくを祝福してください。 ね、後生だから。」

35  「かわいそうだが、聞いてやれないな。 おまえの弟がわしをだましたのだ。 そして、おまえの祝福を奪ってしまった。」

36  「ふん、ヤコブのやつめ、全く名前どおりだぜ。 『だます者』〔ヤコブという名には、この意味もある〕とは、よく言ったもんだ。 やつは長男の権利も奪った。 それじゃ足りず、今度は祝福を盗んだってわけか。 お父さん、念のため聞きますが、祝福し残したことは、一つもないんですか。」

37  「すまんが、わしはあれを、おまえの主人にしてしまった。 おまえばかりじゃない。 ほかの親類の者もみな、あれの召使になるようにと祈った。 穀物やぶどう酒が豊かに与えられるとも保証してしまったし……、ほかにいったい何が残っているというのだ。」

38  「それじゃあ、ぼくにはもう何も祝福が残っていないとおっしゃるのですか。 あんまりだ、お父さん。 何とかならないんですか。 ねえ、ぼくも祝福してくださいよ。」イサクは何と言ってよいかわかりません。 エサウは泣き続けます。

39-40 「おまえは一生苦労が絶えないだろう。 自分の道を剣で切り開いていかなければならないからな。 しばらくは弟に仕えるが、結局はたもとを分かち、自由になるだろう。」