創世記 40 JLB

1-3 その後しばらくして、王宮のコック長とぶどう酒の毒味役とが、王のきげんをそこね、牢に入れられました。 親衛隊の隊長で刑執行の責任者ポティファルの邸内にあった牢、ヨセフが入っている、あの牢です。 

4 しばらくの間、二人はそこに閉じ込められていました。ポティファルはヨセフに、彼らの世話をするよう命じました。 

5 ある夜、二人は夢を見ました。 

6 翌朝ヨセフが行くと、二人とも元気がなく、うなだれています。

7  「どうなさったのです。 何か心配事でも?」

8  「実はゆうべ二人とも夢を見てね、その意味がさっぱりわからず、困っていたんだ。」「夢を解釈するのは神様です。 で、どんな夢です? よろしければお聞かせください。」

9-10 ぶどう酒の毒味役が、初めに口を切りました。 「私の夢はこうなんだ。 ぶどうの木があって、見ると枝が三本ある。 それにつぼみができ、花が咲き、実がなった。 

11 私は片手に王様のワイングラスを持っていたので、その中にぶどうの汁を絞り出し、王様にささげると、それを飲んでくださった、というんだがね。」

12  「その夢の意味はこうですよ。 ぶどうの三本の枝は三日間ということです。 

13 三日したら、王様はあなたを牢から出し、前と同じ、ぶどう酒の毒味役に取り立ててくださいますよ。 

14 その時は、私のこともよろしくお願いします。 また王様のお気に入りの地位に戻るのですから、じきじきに私のあわれな身の上を話し、ここから出られるようお口添えください。 

15 私はもともとヘブル人ですが、誘拐されてここへ来たのです。 そして、無実の罪で、牢に入れられてしまったのです。」

16  最初の夢の解き明かしがよかったので、コック長は、わくわくしながら自分の夢を話しだしました。「わたしの夢では、頭にパンかごを三つ載せていた。 

17 いちばん上のかごは、王様の召し上がるパンやケーキ類でいっぱいだった。 ところがどうだろう。 鳥が来て、片っぱしから食べてしまったんだ。」

18-19 「三つのかごは、やはり三日間のことですよ。 ただ、あとがいけません。 三日後、あなたは死刑になります。 枝につるされ、鳥に肉をついばまれるのです。」

20  三日後は王の誕生日でした。 それで、王宮の役人や使用人たちをみな招いて、宴会が開かれました。 そのとき王が使いをやって、ぶどう酒の毒味役とコック長を呼んだので、二人は牢から出され、王のところへ連れて来られました。 

21 王は、毒味役を前と同じ仕事に戻したのですが、 

22 コック長のほうは死刑にして柱につるせ、と命じました。 ヨセフの言ったとおりです。 

23 ところが、毒味役はあまりうれしくて、ヨセフのことなどすっかり忘れ、王に口添えするどころではありませんでした。

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