18 ベルテシャツァルよ。 以上が余の見た夢だ。 さあ、その意味を教えてくれ。 おまえのほかに、教えてくれる者はいない。 この王国で最も知恵のある者もだめだ。 だが、おまえには聖なる神の霊が宿っているので、教えることができる。」
19 その時ダニエルは、しばらくの間、その夢の意味に度肝を抜かれ、おびえてひと言も口をきけなかった。 ついに、余が口をひらいた。 「ベルテシャツァル、恐れることはない。 夢の意味を話してくれ。」ダニエルは答えた。 「この夢の示していることが、陛下にではなく、陛下の敵にあてはまるのならよろしいのですが……。
20-22 実は、陛下が夢でご覧になりました木、青々とした葉をいっぱい茂らせ、みんなが食べても足りるほど実をたわわにつけ、その陰には野獣が住まい、枝には鳥がいっぱいに宿り、世界中の人々に見えるように天にまで達した高い木は、陛下ご自身でございます。 陛下は強く、大きくなり、その偉大さは天にまで達し、その支配は地の果てにまで及びます。
23 陛下は、神様の使いが天から降りて来て、こう言うのをお聞きになりました。 『この木を切り倒して滅ぼせ。 ただし、切り株と根は若草に囲まれたまま残し、鉄と青銅の鎖をかけておけ。 天の露にぬれさせ、七年間、野の動物たちといっしょに草を食べさせよ。』
24 陛下。 これはいと高き神様がお定めになったことですから、必ず起こります。
25 陛下の国民が陛下を宮殿から追い出します。 陛下は動物のように野に住んで、牛のように草を食べ、その背中は天の露でぬれるでしょう。 いと高き神様が人間の国々を支配し、お選びになった者に支配権をお与えになるということを、陛下が悟るまで、七年間、こんな生活が続きます。
26 ただし、切り株と根とは残されます。 その意味は、天の神様が支配しておられることを陛下が悟った時、国を返していただける、ということでございます。