サムエル記上 21:2-8 JLB

2  「陛下の密使として来たんです。 私がここにいることは、だれにも秘密です。 供の者とは、あとで落ち合う手はずになっています。 

3 ところで、何か食べる物はないでしょうか。 パン五つでも、何かほかの物でもいいんですが、いただけましたら……。」

4 「それが、あいにく普通のパンを切らしておりましてね。 あるのは供え物のパンだけですよ。 もしお供の若者たちが女と寝たりしていなければ、それを差し上げてもかまわんのですがね……。」

5 「ご心配なく。 遠征中は、むちゃなまねはさせていませんから。普通の旅でも、身を慎むことになっているんです。 まして、今回のような場合は、なおさらですよ。」

6  そこで祭司は、ほかに食べ物がなかったので、供え物のパンをダビデに恵んでやりました。 神の天幕の中に供えてあったパンです。 ちょうどその日、できたての新しいパンと置き替えたばかりでした。

7  たまたま、その時、サウル王の家畜の管理をしているエドム人ドエグが、きよめの儀式のために、そこにいました。

8  ダビデはアヒメレクに、槍か剣はないかと尋ねました。 「実は、あまりにも急を要するご命令だったもんですから、取るものも取りあえず、大急ぎで出かけて来たんですよ。 武器も持って来なかったしまつです。」