5 またこれは日を見ず、物を知らない。けれどもこれは彼よりも安らかである。
6 たとい彼は千年に倍するほど生きても幸福を見ない。みな一つ所に行くのではないか。
7 人の労苦は皆、その口のためである。しかしその食欲は満たされない。
8 賢い者は愚かな者になんのまさるところがあるか。また生ける者の前に歩むことを知る貧しい者もなんのまさるところがあるか。
9 目に見る事は欲望のさまよい歩くにまさる。これもまた空であって、風を捕えるようなものである。
10 今あるものは、すでにその名がつけられた。そして人はいかなる者であるかは知られた。それで人は自分よりも力強い者と争うことはできない。
11 言葉が多ければむなしい事も多い。人になんの益があるか。