29 「主よ。 今こそ私は安心して死ねます。
30 お約束どおり、この目でメシヤを見、
31 あなたが遣わされた救い主にお会いしたのですから。
32 この方はすべての国を照らす光、あなたの民イスラエルの光栄です。」
33 ヨセフとマリヤはそこに立ったまま、驚いてシメオンの言うことを聞いていました。
34-35 シメオンは両親を祝福してから、マリヤに言いました。 「剣があなたの胸を刺し通すでしょう。 イスラエルの多くの人がこの子を信じようとしないで、滅びるからです。 しかし、この子によって大きな喜びを受ける人も大ぜいいます。 こうして、多くの人の隠れた思いが現わされるのです。」
36-37 その日、女預言者アンナも神殿にいました。 彼女はアセル族のパヌエルの娘で、たいへんな年寄りでした。 七年の結婚生活の後、未亡人で通し、もう八十四歳にもなっていたのです。 彼女は神殿を一歩も離れず、祈りと断食に明け暮れ、神に仕える毎日を送っていました。