15 人々は熱狂して、むりやりにでも、イエスを王にまつり上げかねない勢いです。 イエスはそっと抜け出し、ただ一人、山に登って行かれました。
16 その日の夕方、弟子たちは湖の岸辺に降りて行きました。
17 もう暗くなったのに、イエスはまだ戻られません。 そこで舟に乗り込み、カペナウムに向けて湖を渡り始めました。
18-19 ところが、しばらくこいで行くうちに、風が出てきました。 風はびゅうびゅう吹きまくり、湖も荒れだしました。 それも、だんだんひどくなる一方です。 四、五キロほどもこぎ出したでしょうか。 ふと見ると、イエスが舟のほうに歩いて来られます。 あまりの恐ろしさに、ただもう震え上がるばかりです。
20 イエスが、「こわがることはありません」と声をおかけになると、
21 やっと気を取り直し、うれしそうにイエスを舟にお乗せしました。 するとどうでしょう。 舟はすぐに目ざす地に着いたのです。
22 朝になりました。 湖のこちら側では、大ぜいの人が、イエスに会おうと集まって来ました。 昨日、イエスをあとに残し、弟子たちだけが舟で出かけたことを知っていたからです。