2 もうすぐ宮だという所で、生まれつき立ち上がることもできない男が運ばれて来るのに、出会いました。 この男は、いつも、宮の「美しの門」のそばに置いてもらい、宮に入る人たちから施しを受けていたのです。
3 二人が前を通り過ぎようとすると、「だんな様方。 どうぞお恵みを」と、その男が声をかけました。
4 二人は立ち止まり、男をじっと見つめました。 やがて、ペテロが口を開きました。 「私たちをごらん。」
5 男は何かもらえるのだろうと思って、二人を見上げました。
6 ところが、ペテロは全く意外なことを言ったのです。 「あげようにも、お金は持っていないんだよ。 だが、ほかのものをあげよう。 ナザレのイエス・キリストの名によって命じる。 さあ、立って歩きなさい。」
7-8 そう言うなり、ペテロは手をかして立たせようとしました。 すると、驚いたことに、足もくるぶしもたちまち強くなり、しゃんと立ち上がったのです。 そして、すたすた歩き始めました。 二人が宮に入ると、男も跳んだりはねたりして、神を賛美しながらついて行きます。
9 中にいた人たちは、神を賛美しながら歩いている男を、じろじろながめました。 どうしたことでしょう。