22 こうして、モーセはエジプトの最高の教育を受け、たくましく、雄弁な王子に成長しました。
23 四十歳の誕生日が近づいたある日、モーセは、同胞のイスラエル人のところへ行って見よう、と思い立ちました。
24 ところが、行ってみると、どうでしょう。 一人のエジプト人が、イスラエル人を虐待しているではありませんか。 モーセはイスラエル人をかばおうとの一心から、相手のエジプト人を殺してしまいました。
25 モーセは、イスラエル人を助けるために、神様が自分をお遣わしになったと認めてもらえるだろうと、かってに決め込んでいました。ところが、現実は、思いどおりにいきません。
26 翌日、もう一度出かけて行くと、今度はイスラエル人同士で争っているのにぶつかりました。 モーセは間に割って入り、『兄弟同士じゃないか。 けんかなんかやめろ』と押しとどめました。
27 すると、相手を痛めつけていたほうの男が、よけいな口出しをするな、とわめきました。 『やいやい、だれがあんたを、おれたちの支配者や裁判官にしたんだよー。
28 ええっ、どうなんだい。 昨日、あのエジプト人を殺したみたいによー、おれまで殺そうってのかい。』