1 神様は、幻によって、これからエドムの地に起こることを、オバデヤにお示しになりました。オバデヤはこう言いました。 「神様は、国々に使者を遣わして、次のようにお命じになりました。 『よく聞け。 討伐軍を動員し、エドムを滅ぼすのだ。』」
2 エドムよ。 わたしはおまえを切り刻み、国々の間で小さい者とし、物笑いの種にしよう。
3 おまえは人が寄りつけないような高い断崖に住んで、高慢になっている。 「だれも、ここまでは登って来られない」と高をくくっている。 思い違いをするな。
4 おまえが鷲のように高く舞い上がっても、星の間に巣を設けても、わたしはおまえを引きずり降ろす。そう神様はお語りになるのだ。
5 夜中に強盗に襲われるほうが、まだましだ。 やつらは根こそぎ持って行きはしないから。 あるいは、ぶどう園の実をぜんぶ盗まれるほうが、まだましだ。 少なくとも落ちた実だけは残るだろうから。
6 だがおまえは、虱つぶしに捜し回られ、残らず取り上げられる。宝はすべて見つけ出され、持ち去られる。
7 同盟者がこぞって反旗をひるがえし、この地からおまえを追い出そうとする。 平和を約束しながら、陰では滅ぼすことをたくらんでいる。 信頼する友が罠をしかけ、おまえたちの反撃は、ことごとく失敗に終わる。
8 神様はお語りになる。 その日、エドム中を捜しても、どこにも賢い者などいない。 わたしが、〔名だたる〕エドムの賢者を愚かにするからだ。
9 テマンの勇士もあわてふためき、虐殺者から身を守れなくなる。
10 どうして、そんな目に会うのだろうか。 それは、おまえが兄弟イスラエルにしたことへの報いだ。 今、おまえの罪は白日のもとにさらされる。 何の抵抗もできず、さんざん辱しめられ、永遠に切り捨てられる。
11 イスラエルが困っていた時、見て見ぬふりをしたからだ。 イスラエルに侵入した者が財宝を持ち去り、くじでエルサレムを分け合っていても、知らん顔をして、指一本うごかそうとしなかった。 まるでイスラエルの敵のように振る舞っていた。
12 おまえは、そうすべきではなかった。 侵略者がイスラエルを遠い異国へ連れ去るのを見て、ほくそ笑むべきではなかった。 彼らの不幸を喜んだり、あざけるようなことはすべきでなかった。
13 そればかりか、おまえは災難につけ込んで、イスラエルに押し入り、略奪さえした。 彼らを犠牲にして私腹を肥やしたのだ。
14 十字路に立ちはだかり、逃げる者を殺した。 彼らが恐ろしい窮地に立たされた日に、かろうじて生き残った者を捕らえ、敵の手に渡した。
15 神様はすぐにもすべての国に復讐する。 イスラエルにしたとおりのことが、おまえの身に起こる。 ブーメランのように、そのとおりのことが自分に返ってくる。
16 わたしの聖なる山で、おまえたちは刑罰の杯を飲みほした。 回りの国々も、それを飲みほすことになる。 そうだ、飲みつぶれて、歴史から姿を消していく。 そのような国々は、もう存在しなくなる。
17 しかし、エルサレムは避難所となり、逃げ道となる。 イスラエルは再びそこを所有する。
18 イスラエルは、エドムの乾燥した平野に放たれた火となる。 そこには、だれも生き残らない。 神様が、そうお語りになったからだ。
19 そして、ネゲブに住むわたしの国民は南のエドムの丘陵地を占有し、ユダの低地に住む者は西のペリシテの平野を所有し、北のエフライムやサマリヤの平野を取り戻す。 ベニヤミンの部族は東のギルアデを所有する。
20 捕囚のイスラエル人は帰って来て、フェニキヤの海岸地帯を遠く北のツァレファテまで占領する。 小アジヤに連れて行かれた者も故国に帰り、ネゲブの辺境の村々を征服する。
21 救う者たちがエルサレムに来て、エドムをくまなく支配するからだ。 その時、神様が王となられる。