1 ああ、罪と汚れに満ちたエルサレム。 ああ、暴力と犯罪の町。
2 おごり高ぶって、神様の声に耳を貸そうとしない。 だれが忠告してもむだだ。 あらゆる懲らしめを拒んでいるからだ。 神様に信頼せず、求めようともしないのだ。
3 指導者は、獲物を求めてほえたけるライオンのようだ。 手に入れることができるなら、たとい何であっても出かけて行く。 裁判官は、まるで日暮れの飢えた狼のようだ。 明け方には、もう食い尽くして、なに食わぬ顔をしている。
4 預言者はうそつきで、自分の利得しか考えない。 祭司は神様のおきてに背いて、神殿を汚している。
5 しかし、神様はそんな町におられても、不正を行なわない。 日に日に神様の正しさが明らかになる。 ところが、だれ一人そのことを気にも留めない。 全く恥知らずな悪人どもだ。
6 「わたしは多くの国を切り捨て、その全領地を荒廃させた。 通りは荒れ果てて静まり返り、町には住む人もない。 昔の繁栄をしのばせるものは何もない。
7 わたしは思った。 『今度こそ、彼らはわたしの言うことを聞くだろう。 わたしの警告に耳を傾けるから、二度と、懲らしめることもあるまい』と。 ところが、そうではなかった。 どんなに罰しても、朝から晩まで、いや夕方から明け方まで、悪事を犯し続けている。」
8 それでも、神様はこうお語りになる。「もう少しのがまんだ。 悪に染まった国々の罪を告発するために、わたしが立ち上がる時が、すぐに来る。 わたしは地上の国々を一つに集め、激しい怒りと憤りを下すことにしている。 全地は、わたしのねたみの炎で焼き尽くされてしまう。
9 その時、諸国民はきよいことを語り、全員が共に神を礼拝するようになる。
10 エチオピヤの川のはるか向こうに住んでいる人々も、贈り物を携えて来て、もう一度彼らの神になってくれるよう、わたしに願い出る。
11 その時おまえたちは、もうわたしに反逆しないので、恥じ入ることもない。 おまえたちの中から、高ぶっている横柄な連中を取り除く。 わたしの聖なる山には、おごり高ぶる者は一人もいなくなる。
12 生き残った人々は、心から謙そんになって、わたしの名に信頼する。
13 罪を犯さず、偽りを言わず、欺くこともない。 静かで平和な生活を送り、安らかに眠りにつく。 だれにも脅かされることがない。」
14 シオン(エルサレム)の娘よ、歌え。 イスラエルよ、叫べ。 エルサレムの娘よ、心の底から喜び楽しめ。
15 神様はあなたを罰する手を引っ込め、あなたの敵を追い散らすからだ。 イスラエルの王である神様が、あなたのうちに住まわれる。 ついに、あなたの苦しみは終わる。 もう恐れることはない。
16 その日、エルサレムに告げ知らされる。 「さあ、元気を出せ。 恐れるな。
17-18 神様が、あなたのうちに住むために来られた。 神様は力ある救い主で、あなたに勝利をお与えになる。 あなたのことをことのほか喜び、非常に満足なさる。 あなたを愛して、責めるようなことはなさらない。」 ほら、聞こえてくるのは、喜びにあふれた聖歌隊の歌声であろうか。 いや、あれは神様が、あなたがたのことで、喜びいっぱいに歌っておられる声だ。「わたしは傷ついた者を集め、おまえの恥をすすごう。
19 また、おまえを圧迫した者には、断固たる態度で臨もう。 寄るべのない弱い者を助け、追い散らされた者を集めよう。 捕囚としてあざけられ、はずかしめを受けた国民に、誉れを与えよう。
20 その時、わたしはおまえを呼び集め、家に連れ戻そう。 そして、全世界の国民の間で抜きん出た、りっぱな称号を授けよう。 おまえの目の前で、おまえを元どおり繁栄させる時、彼らはおまえを称賛するようになる。」 このように、神様がお語りになるのだ。