1-2 ああ、悲しいことだ。 正直者を見いだすのが、こんなにも困難だとは。 まるで、収穫期を過ぎたぶどうやいちじくの実を見つけるようなものだ。 どんなに食べたくても、ぶどう一ふさ、初なりのいちじく一個もない。 正しい人は地上から消えてしまった。 誠実な人は一人も残っていない。 残っているのはみな人殺しで、自分の兄弟までも手にかけようとしている。
3 彼らは、あらゆる手段を用いて、悪事を働いている。 しかも、その手口のうまいこと。 政治家も裁判官も、賄賂を求める。 金持ちは彼らを買収し、邪魔者を消す相談をしている。 正義はゆがめられてしまった。
4 一番ましな者でも、いばらのようにとげとげしい。 最も実直そうな者でも、いばらの垣根よりねじれている。 そんなおまえをさばく日が、今、矢のように迫っている。 処罰の時が、すぐそこまで来ている。 混乱と破滅と恐怖が、おまえを捕らえて離さない。
5 だれも信じるな。 親友も、そして、妻でさえも。
6 息子は父親をばかにし、娘は母親に逆らい、嫁はしゅうとめの悪口を言う。 まさに、敵が自分の家の中にいるのだ。
7 それでも、私は神様の助けを待ち望み、私を救い出してくださるのを待っている。 神様は私の祈りを聞いてくださる。
8 敵よ、喜ぶのは早いぞ。 私は倒れても、すぐ起き上がるからだ。 たとい暗やみの中に座っていても、神様が私の光となってくださる。
9 神様から罰を受けている間、私はじっとそれに耐えている。 私が神様に罪を犯したからだ。 そののち、神様は私を敵の手から守り、彼らが私にしたすべての悪を罰してくださる。 私を、暗やみから光の中へ連れ出してくださるのだ。 私は神様の正しさを見る。
10 そのとき敵は、神様が私の味方であることを認め、「おまえの神はどこにいるんだい」と悪しざまに言ったことを恥じる。 今すでに、彼らがまるで道の土のように踏みつけられるさまが、まざまざと目に浮かぶ。
11 神様の国民よ。 おまえの町々はりっぱに再建され、今よりも大きくなり、繁栄する。
12 アッシリヤからエジプトまで、エジプトからユーフラテス川まで、海から海まで、遠い山から山まで、多くの国の人々が来て、ほめそやす。
13 だが、その前にまず、恐ろしい滅亡がイスラエルに臨む。 それは、イスラエル国民のはなはだしい悪のためだ。
14 神様、来て、あなたの国民を治めてください。 あなたの群れを養い、平和で豊かな生活を送らせてください。 昔のように、バシャンやギルアデの原野を、青々とした牧草で満たしてください。
15 神様はこうお答えになります。 「そうしよう。 エジプトで奴隷となっていたおまえを連れ出した時のように、驚くべき奇蹟を行なおう。
16 全世界は、わたしのすることに度肝を抜かれ、自分たちの力など物の数ではないことを知って、おじまどう。 恐ろしさのあまり口もきけず、ただぼう然と立ち尽くして、何も耳に入らなくなる。」
17 彼らは、蛇や穴からはい出す虫けらのように、みじめにはいずり回っている自分に気づく。 そして、私たちの神様にお会いするため、自分たちが築いたとりでから、震えながら出て来る。 彼らは神様を恐れかしこんで、立ち尽くす。
18 あなたのような神が、ほかにいるでしょうか。 神様はご自分の国民の中で生き残った者の罪を、赦してくださいます。 神様はあわれみを好み、いつまでも怒りを燃やしてはおられません。
19 もう一度、私たちにあわれみをかけてくださいます。 私たちの罪を踏みつけ、海の底に投げ込まれます。
20 ずっと以前、先祖ヤコブに約束なさったように、私たちを祝福してくださいます。 先祖アブラハムに約束なさったように、私たちを愛してくださいます。