1 どうして、純金は光沢を失ったのでしょうか。 それを埋め込んだ神殿の壁がくずれ落ち、道ばたに散らかったからです。
2 純金であるはずの若者が、土器のように取り扱われています。
3-4 山犬でさえ、その子を育てるというのに、イスラエルは無慈悲な砂漠のだちょうのように、赤ん坊の泣き声を聞いても知らぬふりをしています。一滴の水も残っていないので、子供たちは渇きのため、舌が上あごにくっついています。 幼子はパンが欲しくて泣きますが、だれ一人、ほんの一かけらも与えることができません。
5 味にうるさい美食家たちも、口に入る物ならなんでも恵んでくださいと、路上で物乞いしています。 宮殿育ちの貴族までが、ごみ捨て場をあさります。
6 それというのも、イスラエルの罪は、あっという間に人手によらず滅んだソドムの罪より大きいからです。
7 上流階級の人たちは、ほっそりしているが日に焼け、見るからに健康そうで、最高の人種ともいうべき人たちでした。
8 それが今では、顔はすすけたように真っ黒です。 町の中にいても見分けがつきません。 皮膚はかさかさに乾いてしなび、骨にくっついています。
9 剣でひと思いに殺される者は、飢えのためじわじわ死に追いつめられる者よりはるかにましです。
10 心のやさしい女でさえ、生きのびるためには自分の腹を痛めた子供を食べました。
11 こうして神様は怒りをぶちまけ、激しい憤りは、ぜんぶ出し尽くされました。 神様がエルサレムに放った火は、その土台まで焼き尽くしました。
12 世界中のだれもが、まさか敵軍がエルサレムの門を破るとは、夢にも思いませんでした。
13 しかし、神様がそのようにしたのは、罪のない者の血を流して都を汚した預言者や祭司たちの罪のためです。
14 今では、この連中は血にまみれ、触れるものは何でも汚しながら、あてもなく町の中をさまよい歩いています。
15 彼らを見て、人々は「あっちへ行け。 汚らわしい」とわめきます。 彼らは遠い国へ逃げて行き、外国人の居留地をさまよい歩きます。 しかし、どこへ行っても仲間はずれで、だれひとり居住権を与えてくれません。
16 神様は彼らにつらくあたり、援助の手を伸べるのを差し控えました。 彼らが、神様に最後まで忠実だった祭司や長老たちを迫害したからです。
17 私たちは、同盟国が助けに来るのを待っていましたが、来てくれませんでした。 期待に反して、一番あてにしていた国さえ、少しも動こうとしませんでした。
18 一歩外に出れば、身の危険にさらされどおしです。 私たちの最期は間近です。 余命いくばくもありません。 私たちは滅亡の宣告を受けています。
19 敵はわしより速く飛ぶので、たとい山へ逃げても、すぐ見つかります。 たとい荒野に隠れても、先回りして待っています。
20 杖とも頼む、神に油を注がれた王は、敵の罠にかかって捕まりました。 この偉大な王の保護があれば、どんな国が来ても大丈夫だ、と自慢していたのに。
21 ウツの地に住むエドムの人たちよ。 喜んでいるのですか。 しかしあなたがたもそのうち、神様の恐ろしい怒りを肌身に感じるようになります。
22 イスラエルは罪を犯して遠い国へ移されましたが、刑期はやがて終わります。 しかしエドムの刑期は、いつまでも終わりません。