1 その後まもなくして、王は、アガグ人ハメダタの子ハマンを総理大臣に抜擢しました。 今やハマンは、国王に次ぐ実力者です。
2 彼に出会うと、王の家臣はみな、うやうやしく頭を下げます。 そうするようにとの王の命令だったのです。 ところがモルデカイだけは、絶対に頭を下げようとしませんでした。
3-4 周囲からは、くる日もくる日も、「どうして王の言いつけに背くんだ」と責め立てられます。 それでも彼は、頑として聞こうとしません。 そこでついに人々は、モルデカイだけに勝手なまねをさせてなるものかと、ハマンに密告したのです。 モルデカイが、自分はユダヤ人だから別だ、と主張していたからです。
5-6 ハマンはかんかんに腹を立てましたが、モルデカイ一人に手を下すだけではおもしろくありません。 いい機会だから、このさい国中のユダヤ人を皆殺しにしてやろうと考えました。