9 もしよろしければ、やつらを皆殺しにせよとの勅令を、出していただけませんか。 必要な費用につきましては、私が六十億円を国庫に納めさせていただきますので。」
10 王は同意し、考えの変わらぬしるしにと、指輪をはずしてハマンに渡しました。
11 「金の心配はいらんぞ。 さあ、とにかくおまえの考えどおりにやってくれ。」
12 二、三週間後、ハマンは王の書記官を呼び集め、国中の総督や役人あてに手紙を書かせました。 州ごとに、それぞれの言語や方言で書くのです。 一通ごとにアハシュエロス王の署名があり、王の指輪の印が押されます。
13 手紙は急使を立て、全州に送り届けました。手紙の内容は、ユダヤ人は老若男女を問わず、翌年の二月二十八日を期して皆殺しにすべきこと、なお彼らの財産は、手を下した者が取ってよいことなどでした。
14 そのあとに、「この勅令の写しをとり、各州の法令として公示し、全国民に通達すべきこと。 各人は、決行当日のため準備をしておくこと」と書き添えてありました。
15 勅令はまずシュシャンの都で発令されたのち、至急便で各地方へ送られました。 都が騒然とし始めたころ、王とハマンは酒をくみ交わし、悦に入っていました。