エステル記 7:1-7 JLB

1  こうして、王とハマンはやって来たのです。 

2 酒がふるまわれるころ、王はもう一度たずねました。 「エステルよ、いったい何が欲しいのじゃ。 願い事を申すがよい。 何なりとかなえてやろう。 帝国の半分でもな。」

3  ついに、王妃エステルの重い口が開きました。 「ああ、陛下。 もし、もし私をいとしいとお思いでしたら、そして、もしこの事がおこころにかないますなら、何とぞ、私と私の同胞のいのちをお助けください。 

4 このままでは、私も同胞の者たちも助かるすべはありません。 皆殺しにされる運命なのです。 奴隷に売られるだけなら、口をつぐんでもおれました。 もちろんその場合でも、陛下は測り知れない損失をこうむられたでしょうけれど。 実際、それはお金では償えないものでございます。」

5  王は唖然として言いました。 「はてさて何のことを申しておるのかな。 かわいそうに、いったいどこのどいつが手出しをするというのじゃ。」

6  「恐れながら陛下、ここにおりますハマンこそ、悪の張本人、私どもの敵でございます。」二人の目の前で、ハマンの顔からはみるみる血の気が引いていきました。 

7 王は荒々しく立ち上がると、庭に出て行きました。 もうだめです。 自分のいのちは風前の灯だと察したハマンは、立って王妃エステルに命乞いを始めました。