1-2 イスラエルの新しい王ホセア父はエラサマリヤでの在位期間は九年悪政を敷いたが、歴代の王ほどではなかった当時のユダの王はアハズ。 ホセアの即位は、その即位後十二年目にあたる
3 さて、アッシリヤのシャルマヌエセル王はイスラエルを攻め、ついにホセア王を服従させました。 イスラエルは、毎年アッシリヤに、ばく大な貢を納めることになったのです。
4 ホセア王は謀反を企て、エジプトのソ王に、アッシリヤの支配から脱することができるようにと援軍を頼みました。 ところが、これが発覚してしまったのです。 貢を納めることを拒んだホセア王を、アッシリヤ王は、反逆のかどで牢に入れ、鎖につなぎました。
5 こうして、イスラエルにアッシリヤ軍がなだれ込み、三年のあいだ首都サマリヤを包囲しました。
6 ホセア王の即位後九年目、ついにサマリヤは陥落し、イスラエル国民はアッシリヤへ連れ去られ、ハラフの町、ゴザンのハボル川のほとり、メディヤ人の町々に移されたのです。
7 こうした災難が臨んだのは、国民がほかの神々を礼拝して、エジプトの奴隷生活から救い出してくださった神様に、罪を犯したからです。
8 神様が追い払った外国人の悪い風習に、染まっていたのです。
9 そのほかにも、ひそかに多くの悪事を行ない、国中に、異教の神々の祭壇を作っていました。
10 彼らは、すべての丘の上やよく繁ったどの木の下にも、石の柱や神々の像を立て、
11 神様がこの地から一掃した外国人の神々に、香をたいていました。 こうして、数々の悪事を重ねたので、ついに神様の激しい怒りを招いたのです。
12 あれほど、神様が口をすっぱくして警告しておられたのに、人々は平気で偶像礼拝の罪を犯していたのです。
13 神様は再三再四、イスラエルとユダに預言者を送り、悪の道から離れ、先祖に与えたおきてを守るよう、警告してこられました。
14 ところがイスラエル国民は、いっこうに耳を貸そうとしなかったのです。 先祖と同じように強情で、神様を信じようとしませんでした。
15 神様の教えに耳をふさぎ、神様が先祖と結んだ契約を軽んじ、たび重なる警告を無視しました。 それは彼らの愚かさのゆえで、神様のきびしい戒めがあったにもかかわらず、偶像礼拝の罪に陥ったのです。
16 神様の命令なんかどこ吹く風とばかり、金で鋳込んだ二つの子牛像を作りました。 さらに、恥ずべき忌まわしい像を作り、バアルを礼拝し、太陽や月や星を拝みました。
17 また、息子や娘さえ焼き殺して、モレクの祭壇にささげるやら、占いやまじないに走るやらで、悪の限りを尽くしたのです。 こんなことをして、神様の激しい怒りを買わないわけがありません。
18 とうとう神様は、ユダ部族だけを残して、イスラエル国民を一掃してしまわれたのです。
19 ところで、神様の命令を守ろうとしないのは、ユダも同じでした。 イスラエルがたどった悪の道を、ユダも進みました。
20 そこで神様は、ヤコブのすべての子孫を見限り、侵略者の手に渡し、ついに打ちのめしてしまわれました。
21 イスラエルはダビデ王朝から分離すると、ネバテの子ヤロブアム一世を王に迎えました。 このヤロブアム王がイスラエルを神様から引き離し、いっそう大きな罪に誘い込んだのです。
22 イスラエル国民は、王の持ち込んだ悪から離れようとしませんでした。
23 それで、ついに神様は、彼らを一掃してしまわれたのです。 預言者によって警告されたとおり、イスラエル国民はアッシリヤに連れ去られ、今なおそこにとどまっています。
24 アッシリヤ王は、バビロン、クテ、アワ、ハマテ、セファルワイムの住民を連れて来て、サマリヤの町々に住まわせました。 こうして、サマリヤをはじめイスラエルの町々は、アッシリヤ人のものとなったのです。
25 アッシリヤからの移住者は、初め、神様を礼拝しませんでした。 それで、神様はライオンを送り込み、幾人かを噛み殺させたのです。
26 移住者はアッシリヤ王に使者を立て、こう報告しました。 「私たちイスラエルに植民した者は、この地の神の教えを知りません。その神がライオンを送り込んで、私たちを滅ぼそうとしました。 その神を礼拝しなかったからです。」
27-28 王は、サマリヤから捕らえ移した祭司をイスラエルに帰らせ、新しい住民に、神様のおきてを教えることにしました。 そんなわけで、祭司の一人がベテルに帰り、バビロンからの移住者に、神様を礼拝する方法を教えました。
29 それでも、移住者たちは、同時にめいめいの神をも拝んだのです。 神の像は自分たちが住む町の近くにある、丘の上の礼拝所に安置しました。
30 バビロンから来た人々はスコテ・ベノテ神、クテから来た人々はネレガル神、ハマテから来た人々はアシマ神というぐあいにです。
31 アワ人はニブハズ神とタルタク神の像を拝み、セファルワイムから来た人々は、アデラメレク神とアナメレク神の祭壇に、わが子を火で焼いてささげました。
32 彼らは、一方ではイスラエルの神様を礼拝し、他方では同僚の中から祭司を任命して、丘の上の祭壇でいけにえをささげさせました。
33 このように、いぜんとして、出身国の宗教慣習を守り続けていたのです。
34 この傾向は今も残っています。 彼らは、心から神様を礼拝するのでもなく、のちにイスラエルと改名したヤコブの子孫に与えられた、神様の教えを守るのでもなく、ただ、昔からの故国の風習に従っていただけです。
35-36 神様がヤコブの子孫と結ばれた契約によると、彼らは異教の神々を礼拝したり、これにいけにえをささげたりすべきではなかったのです。 彼らは、驚くべき力と奇蹟によって、エジプトから連れ出してくださった神様だけを、礼拝すべきでした。
37 ヤコブの子孫は、神様のおきてをぜんぶ守り、どんなことがあっても、ほかの神々を礼拝してはならなかったのです。
38 それというのも、神様がこう命じたからです。 「わたしがおまえたちと結んだ契約を忘れて、ほかの神々を礼拝してはならない。
39 わたしだけを礼拝すべきだ。 わたしはおまえたちを、すべての敵から救い出す。」
40 ところがイスラエルは、このおことばに耳をふさぎ、ほかの神々を礼拝しました。
41 一方、バビロンからの移住者は、なるほど神様を礼拝したものの、同時に偶像も拝んでいました。 今でも、彼らの子孫は同じことをしています。