1-3 ユダの新しい王ヒゼキヤ父はアハズエルサレムでの在位期間は二十九年二十五歳で即位母はゼカリヤの娘アビ先祖ダビデと同じように善政を敷く当時のイスラエルの王はエラの子ホセア。 ヒゼキヤの即位は、その即位後三年目にあたる
4 ヒゼキヤ王は丘の上の礼拝所を取り除き、石の柱をこわし、アシェラの忌まわしい像を倒しました。 また、人々が香をたいて祈るようになった、モーセの作った青銅の蛇を粉々にしました。 それは、元をただせば、王が指摘したとおり、ただの青銅にすぎなかったのです。
5 王はイスラエルの神様に、心から信頼していたのです。 あとにも先にも、ヒゼキヤのように神様に従った王はいませんでした。
6 すべての点で神様に従い、神様がモーセにお与えになった命令を、注意深く守っていたからです。
7 神様は王とともにおられ、王のすることを、みな祝福してくださいました。 王はアッシリヤの王に反逆し、貢を納めることをやめました。
8 また、ガザとその周辺までもペリシテ人の領土を占領し、大小の町々を滅ぼしました。
9 アッシリヤのシャルマヌエセル王が、イスラエルのサマリヤの町を包囲したのは、イスラエルのホセア王の即位後七年目にあたる、ヒゼキヤ王の即位後四年目のことでした。
10 三年後、サマリヤは陥落しました。
11 その時、アッシリヤの王はイスラエル人を捕虜としてアッシリヤに移し、ハラフの町、ゴザンのハボル川のほとり、メディヤの町々に住まわせました。
12 そうなったのは、彼らが神様に聞き従わず、神様の命令を守らなかったからです。 それどころか、神様の契約を踏みにじり、神様のしもべモーセによって与えられたすべてのおきてに背いたのです。
13 そののち、ヒゼキヤ王の即位後十四年目に、アッシリヤのセナケリブ王が、ユダの要塞化された町を残らず占領しました。
14 ヒゼキヤ王は、ラキシュにいるアッシリヤ王のもとに使者を送って、和平を求めました。 「私がまちがっておりました。 わが国から引き揚げてくださいますなら、お望みどおりの賠償金を支払います。」 アッシリヤ王の要求は四億五千万円でした。
15 ヒゼキヤ王は、神殿と宮殿の宝物倉にある銀を全部、この賠償金にあてました。
16 足りない分は、王自身が献納し、神殿のとびらと柱の金箔をはぎ取って補いました。
17 ところがアッシリヤ王は、前線の将軍、主計長、参謀長に大軍をつけて、エルサレムに送ったのです。 彼らは、布ざらしの野に面した大路に沿って、上の池の水道のそばに宿営しました。
18 三人は、ヒゼキヤ王とじきじきに話し合うことを望みましたが、王は自分の代わりに、官房長官エルヤキム、書記官シェブナ、史官ヨアフを休戦交渉の代表として送りました。
19 アッシリヤの将軍は、次のようなことづけを王に伝えました。「アッシリヤの大王の仰せだ。 『余の手からおまえを助け出せる者はいない。
20-21 外国の口先だけの援助をあてにして、余に反逆するとは、もってのほかだ。 同盟国の中で、どの国が実際にその約束を果たしてくれよう。 エジプトだって。 もしエジプトを頼りにしているなら、それこそ大へんだ。 エジプトは葦の杖にすぎない。 おまえの重みでぽっきり折れ、かえって手を突き刺すだろう。 エジプト王など、少しも当てにならんやつだ。
22 それとも、「きっと神様が助けてくださる」と思っているのではあるまいな。 だったら次のことを忘れるな。 その神とは、おまえが取り除いた丘の上の祭壇の神々と同じだ。 そんな神を、エルサレムの祭壇で拝めと命じているとは、あきれ果てたものだ。』
23 そこで、どうしたらよいか教えてやろう。 わが主君アッシリヤ王と賭けをするがよい。 そちらが馬に乗れる者二千人を用意するなら、こちらで二千頭の馬を出そう。
24 おまえたちの小さな軍隊では、わが主君の軍隊の最小部隊を指揮する最下位の将校さえ、脅かすことはできまい。 たとい、エジプトが馬や戦車を出してくれたとしても、それが何の助けになるのか。
25 考え違いをしてもらっては困る。 われわれは野心をいだいて来たのではないぞ。 全くとんでもないことだ。 神様が、『攻め上って滅ぼせ』とばかり、われわれを送り出されたのだ。」
26 エルヤキムとシェブナとヨアフは、たまりかねて口をはさみました。 「私たちにはアラム語がわかりますから、どうか、アラム語で話してください。 ヘブル語は使わないでください。 城壁の上にいる国民にわかると困るからです。」
27 しかし、アッシリヤの将軍は平然と答えました。 「わが主君がわざわざ私をよこしたのは、おまえたちやおまえたちの主君とだけ話すためではない。 城壁の上にいる国民にも話しかけるためなのだ。 彼らもいっしょに、自分の糞を食べ、自分の尿を飲むようになるからだ。」
28 こう言い捨てると、使者は、城壁の上にいる者たちに大声で呼びかけました。 「アッシリヤの大王の仰せを聞け!
29 『ヒゼキヤ王にだまされるな。 彼はおまえたちを、余の手から救い出せん。
30 神様が救い出してくれる、とか何とか言っておるそうだが、決してだまされてはならんぞ。
31-32 ヒゼキヤ王の言うことなど聞かずに、降伏せよ! そうすれば、自分の国で平和に暮らせるのだ。 そのうち、この国と同じように、穀物とぶどう酒がたくさんでき、オリーブの木と蜜に恵まれた、新しい地に連れて行ってやる。 それが助かる唯一の道だ。 いくらヒゼキヤ王が、神様が救い出してくれると言っても、そんなたわごとに耳を貸すな。
33 アッシリヤ王の手から国を救った神々がいたか。
34 ハマテ、アルパデ、セファルワイム、ヘナ、イワの神々は、サマリヤを助けたか。
35 どこの神が、余の手から国を救えたか。 いったい何を根拠に、神様はエルサレムを救える、などと考えているのか。』」
36 城壁の上の者たちは王の命令どおり、黙って、何も答えませんでした。
37 その時、ヒルキヤの子で官房長官のエルヤキム、書記官シェブナ、アサフの子で史官のヨアフは、衣を裂いてヒゼキヤ王のもとへ行き、アッシリヤの将軍が言ったことを報告しました。