1 アモンの王ナハシュが死に、息子ハヌンが新しく王となりました。
2-3 その時、ダビデ王は言いました。 「彼の父はずいぶん親切にしてくれた。 その礼に、ハヌンに友好の使者を送ろう。」こうして、弔問の使者を立てました。 ところが、使者が着くと、ハヌン王の側近はこう警告したのです。 「ダビデが父君に敬意を表してこの者らをよこした、などとお考えになってはなりません。 きっと、この地を征服しようと、探りに来たのです。」
4 そこでハヌン王は、使者たちのひげをそり落とし、服を半分切り取って腰が丸見えになるようにし、さんざん侮辱した上で追い返しました。
5 事のいきさつを知ったダビデ王は、ひどい目に会った一行に、ひげが伸びるまでエリコにとどまるように、と伝えました。
6 ハヌン王は判断を誤ったことに気づくと、六億円もかけて、メソポタミヤ、アラム・マアカ、ツォバから、歩兵、戦車、騎兵を雇いました。
7 雇い入れた戦車三万二千台と、マアカ王の全軍は、メデバに陣を張り、そこで、ハヌン王がアモンの町々から集めた軍勢と合流しました。
8 ダビデ王はこれを知ると、ヨアブの率いるイスラエル最強の軍隊を差し向けました。
9 アモン軍が迎え撃って、メデバの町の門で、いよいよ戦闘開始です。 その間、敵側の外人部隊は町の外に出ていました。
10 ヨアブは敵が前後にいるのを知り、兵力を二分して、一部をシリヤ人に立ち向かわせました。
11 残りは彼の兄弟アブシャイの指揮下に入って、アモン人に攻撃をしかけたのです。
12 ヨアブはアブシャイに言いました。 「もしシリヤ人が強くて私の手に余るようだったら、助けに来てくれ。 もしアモン人が強くておまえの手に余るようなら、助けに行こう。
13 勇気を出せ。 国の安全はわれわれの肩にかかっている。 堂々と戦おう。 神様が最善をなしてくださることを信じてな。」
14 ヨアブの指揮する隊が攻撃すると、シリヤ人は回れ右をして逃げ出しました。
15 一方アブシャイの率いる一隊から攻撃されていたアモン人も、シリヤ人が敗走するのを見て、あわてて町へ逃げ込みました。 そこでヨアブは、エルサレムへ帰りました。
16 さて、敗北したシリヤ人は、ユーフラテス川の東から、ハダデエゼル王の最高司令官ショファクの率いる一隊を呼びました。
17-18 この知らせが届くと、ダビデ王はイスラエル中の男子を動員し、ヨルダン川を渡って、敵軍と対戦しました。 結果は、またもやシリヤ軍の大敗北です。 ダビデ王はシリヤ軍の戦車兵七千と歩兵四万を討ち取り、さらに最高司令官ショファクを殺しました。
19 それを見たハダデエゼル王の軍隊はあえなく降伏し、家来になりました。 これにこりたシリヤ人は、二度とアモン人を助けようとはしませんでした。