1 時にサタンが、王に人口調査をさせるように仕向けて、イスラエルに災いをもたらしました。
2 王は、ヨアブをはじめ指導者たちに命じました。 「国中の人口を完全に調べ上げ、その人数を報告してくれ。」
3 ヨアブが反対意見を述べました。 「かりに神様が国民を百倍に増してくださっても、みな陛下の民ではありませんか。 それなのに、なぜ、そんな要求をなさるのですか。 なぜ、イスラエルに罪を犯させるようなことを、なさるのですか。」
4 しかし、王が説き伏せたので、ヨアブは命令どおりイスラエル中を巡り歩き、エルサレムへ帰って来ました。
5 ヨアブが報告した総人口は、イスラエルで戦いに出られる者百十万、ユダで四十七万でした。
6 ただし、ヨアブは王の命令を気に病んでいたので、数の中にレビとベニヤミンの二部族を入れませんでした。
7 この人口調査のことで、神様も不きげんになり、イスラエルに罰をお加えになったのです。
8 王は神様におわびしました。 「私は罪を犯しました。 どうかお赦しください。 自分のしたことがどんなにまちがっていたか、今、わかりました。」
9 そこで神様は、王の相談役である預言者ガドにお語りになりました。
10-11 「王に伝えよ。 『神様は、三つのうち、一つを選べと仰せだ。
12 三年間のききんか、三か月のあいだ敵に苦しめられることか、それとも、御使いが国中を荒らして、三日間おそろしい伝染病に悩まされることかだ。 よく考えて、私をお遣わしになった方に何と答えるか、決めてもらいたい。』」
13 王は答えました。 「一つを選ぶのは、なんともつらいことです。どうか、私を人の手にではなく、神様の御手に陥らせてください。神様の思いやりは深いからです。」
14 神様はイスラエルに伝染病を下されたので、七万人が死にました。
15 病気が猛威をふるっている時、神様は一人の御使いを送って、エルサレムを滅ぼそうとなさいました。 ところが、神様はかわいそうに思って考えを変え、御使いに、「もう十分だ。 手を引け」とお命じになったのです。 御使いはその時、エブス人オルナンの打穀場に立っていました。
16 王は、御使いが抜き身の剣をエルサレムの方に差し伸べ、天と地の間に立っているのを見ました。 そこで、その場に居合わせたイスラエルの長老とともに、荒布をまとい、地にひれ伏したのです。
17 ダビデ王は神様に願いました。 「人口調査の命令を出して罪を犯したのは、この私です。 国民が何をしたというのでしょう。 神様、私と私の家族を滅ぼしても、国民は滅ぼさないでください。」
18 すると、御使いはガドに、王がエブス人オルナンの打穀場に祭壇を築くよう指示しました。
19-20 王はさっそく、小麦の打穀をしていたオルナンに会いに行きました。 オルナンが振り向くと、御使いの姿が見えたので、彼の四人の子は走って隠れました。
21 オルナンは王が来るのも見たので、打穀場から出て来てひれ伏しました。
22 「それ相応の金を払うから、この打穀場を譲ってくれんか。 ここに、神様の祭壇を築きたいのだ。 そうすれば、伝染病もおさまるだろうから。」
23 「陛下、どうぞ、お気に召すままにお使いください。 よろしければ、完全に焼き尽くすいけにえ用の牛も、差し上げます。 打穀の器具を、たきぎ代わりに使っていただいてけっこうです。 穀物のささげ物がお入り用でしたら、小麦がございます。 何でもご用立ていたします。」
24 「いや、十分な金額で買い取らせてほしい。 おまえのものを取って、それを神様にささげるわけにはいかん。 ふところを痛めずに、完全に焼き尽くすいけにえをささげることは、したくないのだ。」
25 王はオルナンに百三十万円相当の金を与えました。
26 こうして手に入れた場所に祭壇を築き、その上で、完全に焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。 王が大声で神様を呼ぶと、神様は答えてくださり、天から下った火がいけにえを焼き尽くしました。
27 それから、神様は御使いに命じて、剣をさやに納めさせました。
28 王は、願いが聞かれたのを見て、もう一度、いけにえをささげました。
29 当時、モーセが荒野で作った天幕と祭壇は、ギブオンの丘の上にありました。
30 しかし、王は、そこまで行って神様に祈る気にはなれませんでした。 抜き身の剣を持つ御使いを恐れたからです。