11 なぜ、まだ生きる力が残っているのだろう。 息を引き取る瞬間まで、このまま我慢できようか。
12 わしは石のように感覚がないというのだろうか。 わしの肉体は、真鍮でできているとでもいうのだろうか。
13 もう何の希望もない。 天涯孤独となり果ててしまった。
14 気落ちした友には、親切にすべきじゃないか。 それなのに何だ。神様を少しも恐れず、わしを容赦なく責め立てるばかりじゃないか。
15-18 あんたは砂漠の川のように頼りにならないことが、よくわかった。それは、雨期になるとあふれるが、夏の盛りには干上がってしまう。川を目あてに、隊商はわざわざ脇道して来るが、一滴の水もないのであえない最期を遂げる。
19-21 テマとシェバの隊商は、水を求めてそこに来るが、望みは無残にも砕かれる。 あんたへの期待も、同じように裏切られた。 わしを見てこわがり、後ずさりしたな。 救いの手を伸ばしてくれなかったな。
22 なぜだ。 これまで、一度でも頼み事をしたことがあるか。 あんたに物乞いしたことなんかないぞ。