1 人は、なんと苦しみもだえることか。 人の一生は、奴隷の日々のように長く苛酷だ。
2 一日の終わりが、なんと待ち遠しいことか。人は賃金のもらえる月末まで汗水流して働く。
3 同じようにわしにも、苦しい日々と、長くて物憂い夜がある。
4 床につく時、『あーあ、朝ならいいのになあ』と思い、東の空が白むまで、寝返りを打って悶悶とする。
5 体にはうじがたかり、皮膚は黒ずんでいる。 肉はざくろのように口を開け、膿が流れている。
6 望みもないまま、あっという間に一日一日が過ぎ去る。
7 わしのいのちは、はかない息のようで、良いものは何一つ残っていない。
8 わしを見ていられるのも長くはない。 もうじき、わしの死骸を見るようになるだろうよ。
9 雲が散って消えるように、死んだ者は永久に戻らない。
10 家族の前から永久に姿を隠し、再び顔を見せることもない。
11 頼むから、わかってくれよ。 悩み苦しんでいるわしに、気がすむまで話させてくれ。
12 ああ神様、どうして私を放っておいてくださらないのですか。 私は化け物でしょうか。
13-14 眠って悲惨な境遇を忘れようとすると、あなたは悪夢で私を脅します。
15 こんな状態がいつまでも続くくらいなら、ひと思いに締め殺されたほうがましです。
16 もう生きていたくなんかありません。 お願いです、神様。 残り少ない日々を、私ひとりにしておいてください。
17 人とは何者でしょう。 神様がわざわざ時間をかけて苦しめるだけの値打が、あるでしょうか。
18 朝ごとに尋問し、一日中いじめ抜かなければ、気がすまないのですか。
19 せめてつばを吐く間だけでも、一人にしておいてください。
20 人間の見張り役である神様。 私の罪がご気分を害したのですか。なぜ私を標的にし、とても生きてはいられないようにさせるのですか。
21 なぜ私の罪を赦し、除いてくださらないのですか。 私は今にも息絶える身ではありませんか。 神様がどこを捜しても、いなくなるのです。」