ヨブ記 24 JA1955

第24章

1 なにゆえ、全能者はさばきの時を定めておかれないのか。なにゆえ、彼を知る者がその日を見ないのか。

2 世には地境を移す者、群れを奪ってそれを飼う者、

3 みなしごのろばを追いやる者、やもめの牛を質に取る者、

4 貧しい者を道から押しのける者がある。世の弱い者は皆彼らをさけて身をかくす。

5 見よ、彼らは荒野におる野ろばのように出て働き、野で獲物を求めて、その子らの食物とする。

6 彼らは畑でそのまぐさを刈り、また悪人のぶどう畑で拾い集める。

7 彼らは着る物がなく、裸で夜を過ごし、寒さに身をおおうべき物もない。

8 彼らは山の雨にぬれ、しのぎ場もなく岩にすがる。

9 (みなしごをその母のふところから奪い、貧しい者の幼な子を質にとる者がある。)

10 彼らは着る物がなく、裸で歩き、飢えつつ麦束を運び、

11 悪人のオリブ並み木の中で油をしぼり、酒ぶねを踏んでも、かわきを覚える。

12 町の中から死のうめきが起り、傷ついた者の魂が助けを呼び求める。しかし神は彼らの祈を顧みられない。

13 光にそむく者たちがある。彼らは光の道を知らず、光の道にとどまらない。

14 人を殺す者は暗いうちに起き出て弱い者と貧しい者を殺し、夜は盗びととなる。

15 姦淫する者の目はたそがれを待って、『だれもわたしを見ていないだろう』と言い、顔におおう物を当てる。

16 彼らは暗やみで家をうがち、昼は閉じこもって光を知らない。

17 彼らには暗黒は朝である。彼らは暗黒の恐れを友とするからだ。

18 あなたがたは言う、『彼らは水のおもてにすみやかに流れ去り、その受ける分は地でのろわれ、酒ぶねを踏む者はだれも彼らのぶどう畑の道に行かない。

19 ひでりと熱さは雪水を奪い去る、陰府が罪を犯した者に対するも、これと同様だ。

20 町の広場は彼らを忘れ、彼らの名は覚えられることなく、不義は木の折られるように折られる』と。

21 彼らは子を産まぬうまずめをくらい、やもめをあわれむことをしない。

22 しかし神はその力をもって、強い人々を生きながらえさせられる。彼らは生きる望みのない時にも起きあがる。

23 神が彼らに安全を与えられるので、彼らは安らかである。神の目は彼らの道の上にある。

24 彼らはしばし高められて、いなくなり、ぜにあおいのように枯れて消えうせ、麦の穂先のように切り取られる。

25 もし、そうでないなら、だれがわたしにその偽りを証明し、わが言葉のむなしいことを示しうるだろうか」。

チャプター

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42