ヨブ記 41 JA1955

第41章

1 あなたはつり針でわにをつり出すことができるか。糸でその舌を押えることができるか。

2 あなたは葦のなわをその鼻に通すことができるか。つり針でそのあごを突き通すことができるか。

3 これはしきりに、あなたに願い求めるであろうか。柔らかな言葉をあなたに語るであろうか。

4 これはあなたと契約を結ぶであろうか。あなたはこれを取って、ながくあなたのしもべとすることができるであろうか。

5 あなたは鳥と戯れるようにこれと戯れ、またあなたのおとめたちのために、これをつないでおくことができるであろうか。

6 商人の仲間はこれを商品として、小売商人の間に分けるであろうか。

7 あなたは、もりでその皮を満たし、やすでその頭を突き通すことができるか。

8 あなたの手をこれの上に置け、あなたは戦いを思い出して、再びこれをしないであろう。

9 見よ、その望みはむなしくなり、これを見てすら倒れる。

10 あえてこれを激する勇気のある者はひとりもない。それで、だれがわたしの前に立つことができるか。

11 だれが先にわたしに与えたので、わたしはこれに報いるのか。天が下にあるものは、ことごとくわたしのものだ。

12 わたしはこれが全身と、その著しい力と、その美しい構造について黙っていることはできない。

13 だれがその上着をはぐことができるか。だれがその二重のよろいの間にはいることができるか。

14 だれがその顔の戸を開くことができるか。そのまわりの歯は恐ろしい。

15 その背は盾の列でできていて、その堅く閉じたさまは密封したように、

16 相互に密接して、風もその間に、はいることができず、

17 互に相連なり、固く着いて離すことができない。

18 これが、くしゃみすれば光を発し、その目はあけぼののまぶたに似ている。

19 その口からは、たいまつが燃えいで、火花をいだす。

20 その鼻の穴からは煙が出てきて、さながら煮え立つなべの水煙のごとく、燃える葦の煙のようだ。

21 その息は炭火をおこし、その口からは炎が出る。

22 その首には力が宿っていて、恐ろしさが、その前に踊っている。

23 その肉片は密接に相連なり、固く身に着いて動かすことができない。

24 その心臓は石のように堅く、うすの下石のように堅い。

25 その身を起すときは勇士も恐れ、その衝撃によってあわて惑う。

26 つるぎがこれを撃っても、きかない、やりも、矢も、もりも用をなさない。

27 これは鉄を見ること、わらのように、青銅を見ること朽ち木のようである。

28 弓矢もこれを逃がすことができない。石投げの石もこれには、わらくずとなる。

29 こん棒もわらくずのようにみなされ、投げやりの響きを、これはあざ笑う。

30 その下腹は鋭いかわらのかけらのようで、麦こき板のようにその身を泥の上に伸ばす。

31 これは淵をかなえのように沸きかえらせ、海を香油のなべのようにする。

32 これは自分のあとに光る道を残し、淵をしらがのように思わせる。

33 地の上にはこれと並ぶものなく、これは恐れのない者に造られた。

34 これはすべての高き者をさげすみ、すべての誇り高ぶる者の王である」。

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