ヨブ記 4 JA1955

第4章

1 その時、テマンびとエリパズが答えて言った、

2 「もし人があなたにむかって意見を述べるならば、あなたは腹を立てるでしょうか。しかしだれが黙っておれましょう。

3 見よ、あなたは多くの人を教えさとし、衰えた手を強くした。

4 あなたの言葉はつまずく者をたすけ起し、かよわいひざを強くした。

5 ところが今、この事があなたに臨むと、あなたは耐え得ない。この事があなたに触れると、あなたはおじ惑う。

6 あなたが神を恐れていることは、あなたのよりどころではないか。あなたの道の全きことは、あなたの望みではないか。

7 考えてみよ、だれが罪のないのに、滅ぼされた者があるか。どこに正しい者で、断ち滅ぼされた者があるか。

8 わたしの見た所によれば、不義を耕し、害悪をまく者は、それを刈り取っている。

9 彼らは神のいぶきによって滅び、その怒りの息によって消えうせる。

10 ししのほえる声、たけきししの声はともにやみ、若きししのきばは折られ、

11 雄じしは獲物を得ずに滅び、雌じしの子は散らされる。

12 さて、わたしに、言葉がひそかに臨んだ、わたしの耳はそのささやきを聞いた。

13 すなわち人の熟睡するころ、夜の幻によって思い乱れている時、

14 恐れがわたしに臨んだので、おののき、わたしの骨はことごとく震えた。

15 時に、霊があって、わたしの顔の前を過ぎたので、わたしの身の毛はよだった。

16 そのものは立ちどまったが、わたしはその姿を見わけることができなかった。一つのかたちが、わたしの目の前にあった。わたしは静かな声を聞いた、

17 『人は神の前に正しくありえようか。人はその造り主の前に清くありえようか。

18 見よ、彼はそのしもべをさえ頼みとせず、その天使をも誤れる者とみなされる。

19 まして、泥の家に住む者、ちりをその基とする者、しみのようにつぶされる者。

20 彼らは朝から夕までの間に打ち砕かれ、顧みる者もなく、永遠に滅びる。

21 もしその天幕の綱が彼らのうちに取り去られるなら、ついに悟ることもなく、死にうせるではないか』。

チャプター

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42