サムエル記下 13:4-10 JLB

4  ある日、ヨナダブはアムノンに尋ねました。 「何か心配事でもあるのかい。 どうして、王子ともあろう者が、日に日に、それほどやつれていくんだね。」アムノンは打ち明けました。 「ぼくは異母妹のタマルを愛してしまった。」

5  「なんだ、そうか。 じゃあ、よい方法を教えてやろう。 床に戻って、仮病を使うんだ。 父君ダビデ王が見舞いに来られたら、タマルをよこして、食事を作らせてくださいと頼めよ。 タマルのこしらえたものを食べればきっとよくなる、と申し上げるんだ。」 ヨナダブはこう入れ知恵しました。

6  アムノンは言われたとおりにしました。 王が見舞いに来ると、「妹タマルをよこして、食事を用意させてください」とだけ願い出たのです。 

7 ダビデはうなずき、タマルに、アムノンの住まいへ行き、何か手料理をごちそうしてやってくれ、と頼んだのです。 

8 タマルはアムノンの寝室を訪れました。 アムノンは、タマルが粉をこねてパンを作る姿を、じっと見つめていました。 タマルはアムノンのために、特においしいパンを焼き上げたのです。 

9 ところが、それをお盆に載せてアムノンの前に差し出しても、口に入れようとしません。アムノンは召使に、「みんな、下がってくれ」と命じたので、一同は部屋から出て行きました。

10  すると、彼はタマルに言ったのです。 「もう一度、そのパンをこっちに運んで来て、食べさせてくれないか。」 タマルは言われるままに、そばへ行きました。