1-2 このあと、ダビデはえり抜きの兵三万を率いて、ユダのバアラへ出かけました。 ケルビム(天使を象徴する像)の上に座しておられる、天地の主なる神様の契約の箱を、持ち帰るためです。
3 箱は真新しい牛車に載せられ、丘の中腹にあるアビナダブの家から運び出されました。 御者は、アビナダブの息子ウザとアフヨでした。
4 アフヨが先導を務め、
5 ダビデをはじめイスラエルの指導者たちが、あとに続きました。 一行は喜びのあまり、木の枝を振りかざし、神様の前で、竪琴、琴、タンバリン、カスタネット、シンバルなど、ありとあらゆる楽器を鳴らして、思いっきり踊りました。
6 ところが、ナコンの打ち場まで来た時、牛がつまずいたのです。 ウザはあわてて手を伸ばし、箱を押さえようとしました。
7 とたんに、神様の怒りがウザに向かって燃え上がったのです。 箱にさわったため、ウザは神様に打たれ、箱のそばで息絶えました。
8 この神様の仕打ちにダビデは憤慨し、そこをペレツ・ウザ〔ウザに怒りが臨んだ地〕と呼びました。 今でもそう呼ばれています。
9 ダビデはすっかりこわくなり、「とても箱をお移し申せません」と言いました。
10 急きょ、神の箱をダビデの町へ移すことは中止し、ガテ出身のオベデ・エドムの家に預けることにしたのです。
11 箱は、三か月間オベデ・エドムの家に置かれました。 おかげで、彼の家は祝福されました。
12 それを聞いたダビデは、盛大に祝って、神の箱をダビデの町へ運ぶことにしました。
13 箱をかつぐ者たちは、六歩進むと、しばらく立ち止まりました。 ダビデが、太った牛と子羊をいけにえにささげたからです。
14 ダビデは神様の前で、力の限り踊りました。 この時は祭司の服をまとっていました。
15 イスラエルは歓声をあげ、ラッパを吹き鳴らして、神の箱をダビデの町に運び入れたのです。
16 行列が町に入って来るのを、サウルの娘ミカルは窓から眺めていました。 そして、神様の前で跳ねたり踊ったりしているダビデを見て、軽べつの気持ちがわいてきたのです。
17 神の箱は、ダビデが用意しておいた天幕に安置されました。 ダビデは神様に、完全に焼き尽くすいけにえと和解のいけにえをささげました。
18 それから、天地を支配なさる神様の名によって国民を祝福し、
19 だれかれの別なく、男にも女にもパン一個、ぶどう酒、干しぶどうの菓子一個をふるまいました。 それが終わると、みな家に引き揚げ、
20 ダビデも、家族を祝福するために戻って行きました。ところが、迎えに出たミカルは、皮肉たっぷりにこう言ったのです。「きょうは、なんとまあご立派な王様ぶりでしたこと! 道の真ん中、それも、女たちの前で裸におなりになるなんて!」
21 「わしはな、おまえの父やその一族にまさって、神様の国民イスラエルの指導者として、選んでいただいた。 その神様の前で、踊ったのだ。 神様に喜びを表わすためなら、たとい気違い呼ばわりされようとかまわん。
22 いや、ばかと思われてもよいのだ。 おまえの言う女たちは、きっとわかって敬ってくれるさ。」
23 結局ミカルは、生涯、子宝に恵まれませんでした。