1 ヨアブ将軍は、アブシャロムに会いたがっている王の気持ちを察しました。
2-3 そこで、知恵者として評判の高いテコアの女を呼び寄せ、王に会ってくれないか、と頼みました。 そして、どういうふうにして会えばいいかを指示したのです。「喪中の女を装うのだ。 喪服をまとい、髪を振り乱し、長いこと深い悲しみに打ちひしがれてきたふりをするのだ。」
4 女は王の前に出ると、床にひれ伏して哀願しました。 「王様! どうぞ、お助けくださいまし!」
5-6 「いったい、どうしたのだ。」「私はやもめ女でございます。 息子が二人おりましたが、それが野原でけんかをしたのです。 だれも仲裁に入ってくれませんで、片方が殺されてしまいました。
7 すると、親せき中の者が寄ってたかって、残った息子を引き渡せと申すんでございます。 兄弟を殺したような奴は生かしておけないと言うんです。 でも、そんなことになれば、跡継ぎが絶えてしまいます。 夫の名も、この地上から消え去ってしまいます。」
8 「わかった。 任せておけ。 だれもおまえの息子に手出しできんように、取り計らってやるぞ。」