10 ダビデの家来の一人がそれを見て、ヨアブに知らせました。
11 ヨアブは、「な、なんだと! やつを見つけしだい、どうして殺さなかったのだ。 たんまり褒美を取らせ、将校にでも取り立ててやったのに」と、詰め寄りました。
12 「どれほどご褒美がいただけましょうとも、そんなことはごめんです。 私どもはみな、陛下が指揮官のお三方に『わしに免じて、若いアブシャロムに手を下すのだけはやめてくれ』とお頼みになったのを、聞いたんですから。
13 それに、もし私が命令に背いて王子様を殺したとして、その張本人が陛下に知れた場合、将軍、あなた様が真っ先に、私を非難なさるんじゃありませんか。」
14 「たわ事を言うな!」 こう言い捨てると、ヨアブは三本の槍を取り、宙づりになったままで息も絶え絶えの、アブシャロムの心臓を突き刺しました。
15 ヨアブ直属の若いよろい持ち十人も、アブシャロムを取り巻き、とどめを刺しました。
16 ヨアブはラッパを吹き鳴らし、イスラエル軍追撃をやめて、兵を引き揚げました。