21 アブネルはダビデのもとを辞する時、こう約束しました。 「帰りしだい、全イスラエルを召集いたします。 多年のお望みがかないますぞ。 全国民はきっと、あなた様を王に選ぶでしょうからな。」ダビデはアブネルを無事に送り出したのです。
22 ちょうど入れ違いに、ヨアブとダビデ軍の兵士たちが、戦利品をどっさりかかえて、奇襲攻撃から戻って来ました。
23 ダビデ王のもとを訪れたアブネルとの話し合いが、極めて友好的だったと聞くと、
24-25 ヨアブは王のもとへ飛んで行きました。 「あんまりではございませんか。 アブネルをむざむざお帰しになるなど、もってのほかですよ。 あいつの魂胆はご存じでしょう。 われわれを攻めるために、動静を探りに来たに決まっております!」
26 ヨアブは直ちにアブネルを追わせ、連れ戻すようにと命じたのです。 追手はシラの井戸あたりで追いつき、いっしょに引き返しました。 ただし、ダビデはこのことを知りませんでした。
27 ヘブロンに着いたアブネルを、ヨアブは個人的な話があるように見せかけて、町の門のわきへ呼び出しました。 ところが、やにわに短剣を抜き、アブネルを刺し殺してしまったのです。 こうして弟アサエルの仇を報いました。
28 この一件を知らされたダビデは、はっきり言い切りました。「わしは神様に誓う。 わしも国民も、このアブネル殺しの罪には全く関与しておらん。