6 フシャイが姿を見せると、一応アヒトフェルの考えを披露したあとで、こう尋ねました。「おまえの意見はどうか。 アヒトフェルの言うとおりにすべきだろうか。 もし反対なら、はっきり言ってくれ。」
7 「恐れながら申し上げます。 この度のアヒトフェル殿のお考えには、賛成いたしかねますな。
8 ご承知のように、お父君とその部下たちは、りっぱな勇士でございます。 今は、子熊を奪われた母熊のように、気が立っておいででしょう。 そればかりか、戦いに慣れておられるお父君は、兵卒とともに夜を過ごしたりはなさいますまい。
9 必ず、どこかのほら穴にでも、隠れておいでのはずです。 もしそのお父君が襲いかかり、こちらの幾人かが切り倒されでもしたら、兵が混乱し、口々に『味方がやられたぞ』と叫びだすでしょう。
10 そうなると、どんなに勇敢な者でも、たといライオンのように強い勇士でも、ひるむでしょうな。 なにしろ、イスラエルの者はみな、お父君が偉大な勇者であり、その兵士たちも武勇にすぐれている、と知っておりますからな。
11 むしろ、こうしてはいかがかと考えます。 まず、北はダンから南はベエル・シェバに至るまでの、イスラエル全国から兵を集め、強力な軍隊をおつくりになることです。 その大軍を率いて、自ら出陣なさるのがよろしかろうと存じます。
12 そして、お父君を見つけしだい、全軍もろとも一気に滅ぼすのです。 一人も生かしておいてはなりません。