1 かつては、イスラエルが何か言うと、国々は恐れのあまり震え上がったものだ。 イスラエルが強力な君主だったからだ。 ところが、イスラエルはバアルを拝んで、滅びを決定的なものにした。
2 今や、人々は以前にもまして不従順になっている。 銀を溶かして鋳型に入れ、じょうずに偶像を作っている。 「これにいけにえをささげろ」と言い、その子牛像に口づけしている。
3 だから、彼らは朝もやのように、すぐ乾いてしまう露のように、風で吹き散らされるもみがらのように、また煙のように、消え去るのだ。
4 わたしだけがおまえの神だ。 そのことは、エジプトからおまえを連れ出した時から、ずっと変わらない。 わたしのほかに、神はいない。 ほかに救い主はいないからだ。
5 あの乾ききって一滴の水もない荒野で、おまえの面倒を見てやった。
6 だが、たらふく食べて満足すると、高慢になり、わたしを忘れてしまった。
7 だから、わたしはライオンのように、また道ばたで待ち伏せるひょうのように、おまえに襲いかかる。
8 子を奪われた熊のように、おまえをずたずたに引き裂き、ライオンのように、食い尽くす。
9 ああ、イスラエルよ。 わたしが滅ぼしたら、だれがおまえを救えよう。
10 おまえの王はどこにいる。 なぜ、その王に助けてもらわないのか。 この地の指導者はどこにいるのか。 おまえは王や指導者を頼みにした。 それなら、彼らに救ってもらうがいい。
11 わたしは怒って王を与えたが、憤って王を取り上げた。
12 イスラエルの罪は刈り取られ、罰せられるために積み上げられている。
13 イスラエルは、新生の機会が与えられているというのに、母親の胎内で生まれ出るのを拒んでいる子供のようだ。 なんと頑固で、愚かなことよ。
14 わたしはイスラエルを地獄から解き放ち、死から救い出すべきだろうか。 死よ、その恐ろしさをイスラエルに存分に味わわせよ。 墓よ、その災いをはっきり示せ。 わたしはかわいそうに思わないからだ。
15 イスラエルは、兄弟たちの中でいちばん実り豊かな者と呼ばれた。だが、東風、荒野からの神の風が吹きまくり、イスラエルを干上がらせてしまう。 そのあふれる泉も緑のオアシスも枯れてしまう。 こうして、イスラエルは渇きで死に絶える。
16 サマリヤも自分の神に反逆したので、刑罰を受けなければならない。 住民は侵略軍に殺され、赤子は地面にたたきつけられ、妊婦は剣で切り裂かれる。