1-3 神様はまた、エレミヤにお語りになりました。ユダの国民と、エルサレムの全住民に、わたしが彼らの先祖と契約を結んだことを思い出させよ。 その契約を守らない者はのろわれる。
4 わたしは、エジプトの奴隷だった彼らを助け出した時、わたしの言いつけを守りさえすれば、彼らも子孫も共々にわたしの国民となり、わたしは彼らの神となると言った。
5 だからわたしに従え。そうすれば、誓いどおり、すばらしいことをしてやろう。 今日あるとおり、「乳と蜜の流れる地」を与えたいのだ。 これを聞いて、私は「神様、ぜひ、そうしてください」と答えました。
6 すると、神様は命じました。 以上のことをエルサレムの町中で、大声で伝えよ。 国中の町々を巡って、「ご先祖が神様と結んだ契約を思い出し、約束どおりに行なえ」と言え。
7 わたしは、おまえたちの先祖をエジプトから助け出した時から今日まで、口がすっぱくなるほど、「わたしのすべての命令に従え」と言い続けてきた。
8 だがおまえたちの先祖は、従うどころか聞こうとさえせず、頑として、好き勝手に振る舞った。 彼らが従うことを拒否したので、わたしは契約の中にある災いをみな下した。
9 神様はまた、私にお語りになりました。 わたしは、ユダとエルサレムの住民の間に、わたしに対する陰謀のあることを知った。
10 彼らは先祖の道にあと戻りし、わたしの命令をやぶり、偶像を拝んだ。わたしが彼らの先祖と結んだ契約を破棄したのだ。
11 だから、彼らに災いを下す。 それから逃げることはできない。 あわれみを叫び求めても、わたしは耳を貸さない。
12 そこで彼らは、偶像の前で香をたいて祈る。 だが、そんなことをしても、悩みと絶望からは救われない。
13 ああ、わたしの国民よ。 おまえたちの神々は掃いて捨てるほどあり、バアルに香をたく恥の祭壇は、エルサレムのどの通りにもある。
14 だからエレミヤよ、もう、この国民のために祈ってはならない。彼らのために、泣いたり嘆願したりしてはならない。 わたしは、彼らが最後の土壇場になって助けを求めてきても、耳をふさぐことに決めた。
15 わたしの国民は、どんな権利があって、わたしの宮に来るのか。 おまえたちは裏切り者で、ほかの神々を拝んできた。 おまえたちのいろいろな約束やいけにえが、今になって、滅びの運命をいのちと喜びに変えることができようか。
16 わたしはかつて、おまえたちを「おいしい実をたくさんつける、美しい緑のオリーブの木」と呼んだ。 ところが今度は、おまえたちを焼き焦がし、丸坊主にするために、敵という火を送り込んだ。
17 イスラエルとユダがバアルに香をたくという悪事を働いたため、木を植えたわたしが滅ぼせと命じたのだ。
18 神様は私に、彼らの計画をぜんぶ知らせ、その悪だくみを教えてくださいました。
19 私は、屠殺場に引かれて行く子羊や牛のように、先にある危険に少しも感づいていませんでした。 まさか彼らが私を殺そうとしていようとは、夢にも思わなかったのです。 彼らは、「あの男を殺し、口を封じてしまおう。 殺して、やつの名を永久に葬り去ろう」と相談し合いました。
20 ああ、天の軍勢の主よ。 あなたは正しいお方です。 彼らの心と動機とを探り、彼らの企てた悪事に報いてください。 私は、神様が正義を行なうのを見守っています。
21-22 すると、神様はこうお答えになりました。 アナトテの町の住民は、おまえを殺そうとしたので罰を受ける。 彼らはおまえに、神の名によって預言したら殺してやる、と言うだろう。 それで、彼らの若い男たちは戦場で死に、息子、娘は飢えに苦しむ。
23 こうして、陰謀に加わった者は一人もいなくなる。 わたしが大きな災いを下すからだ。 彼らの刑罰の時はすでにきた。