1 その時、イスラエルの全家族はわたしを神と認める。 彼らは、わたしの国民として振る舞うようになる。
2 昔わたしが、エジプトから逃げて来たイスラエル人に、荒野であわれみをかけ、休息を与えた時のように、彼らをいたわり、めんどうを見る。
3 それというのも、ずっと前に、イスラエルにこう言ったからだ。 わたしの国民よ。 わたしは永遠の愛をもっておまえを愛してきた。 あわれみの綱でおまえを引き寄せてきた。
4 イスラエルのおとめよ。 わたしは、おまえの国を再建する。 おまえは元のように幸せになり、タンバリンをたたいて陽気に踊る。
5 もう一度サマリヤの山の上にぶどう園をつくり、その実を食べるようになる。
6 エフライムの丘に立つ見張りが大声を張り上げ、「さあ、シオン(エルサレム)に上って、神様のもとへ行こう」と言う日がくる。
7 神様はこう言います。 地上で最も偉大な国イスラエルに、わたしがどんなことをするかを知って、喜び歌え。 「神様は、イスラエルの残りの民であるご自分の国民を救った」と、賛美と喜びをもって大声で言いふらせ。
8 わたしが彼らを、北から、また地の果てから連れ戻すからだ。 盲人や足なえ、赤ん坊を連れた若い母親、お産まぢかの女には、特別に目をかける。 彼らは大きな集団となって帰る。
9 だれの頬にもうれし涙が伝わる。 わたしは彼らを、こわれ物を運ぶように注意して連れ帰る。 彼らは静かに流れる川のほとりを歩き、つまずくことはない。 イスラエルにとってわたしは父であり、エフライムはわたしの長男だからだ。
10 世界の国々よ、神様からの次のお告げを聞き、言い広めなさい。 神様はご自分の国民を散らしたが、再び集め、羊飼いがその群れを飼う時のように見守ります。
11 イスラエルを、とても歯が立たない敵の手から救い出すのです。
12 彼らは帰国して、シオンの丘で喜びの歌をうたいます。 豊作の穀物、麦とぶどう酒と油、健康そのものの羊と家畜の群れという神様の恵みに浴して、彼らの顔は喜びに輝きます。 彼らのたましいは潤った園のようになり、悲しみは一つ残らず逃げ去ります。
13 娘たちは喜びのあまり踊りだし、男たちは、年寄りも若者も陽気にはしゃぎます。 「わたしは彼らの嘆きを喜びに変え、彼らを慰め、楽しませる。 苦しいことだらけの捕虜の時代は、もう過去のこととなった。
14 わたしは祭司たちを、神殿に運ばれる山のような供え物で、再びもてなす。 わたしの国民がすっかり満足するまで、たらふく食べさせる」と、神様は約束なさいます。
15 神様は私に、再びお語りになりました。 ラマ(バビロンの捕虜となったユダヤ人が集合させられた場所)で激しい泣き声が聞こえる。 ラケル〔ヤコブの妻。 イスラエル王国の母として象徴的に言われている〕は子供のために身もあられもなく泣いているが、どうしても慰めることはできない。 それもそのはず、子供がいなくなったからだ。
16 しかし、神様は約束なさいます。 もう、泣かなくていい。 確かにおまえの祈りを聞いた。 おまえはまた子供に会える。 彼らは遠い敵の国から、おまえのふところへ帰って来る。
17 おまえの将来には希望がある。 おまえの子供は生まれ故郷へ帰って来る。
18 私はエフライムのうめき声を聞きました。 「神様は私をひどく罰しました。 子牛がくびきを負う訓練をさせられるように、私にも懲らしめが必要だったのです。 私を神様のもとに立ち返らせ、元どおりにしてください。 神様。 ただあなただけが主だからです。
19 私は神様に背きましたが、後悔しました。 なんとばかな人間だったのだろうかと反省し、ももの肉をつねりました。 若かったころにしたことを考えると、穴があったら入りたいくらいです。」
20 神様のお答えはこうです。 エフライムは今でもわたしの子だ。 目に入れても痛くない子であることに、変わりはない。 罰を加えないわけにはいかないが、それでもなお、彼を愛している。 いとおしくてたまらないので、きっとあわれみをかけてやる。
21 捕虜として遠い国へ引かれて行く時、イスラエルに帰る目じるしとなる道しるべを、あちこちに立てておけ。 通った道をしっかり頭に入れておけ。 おとめイスラエルよ。 やがて、おまえは自分の町町に帰って来ることになる。
22 気まぐれ娘よ。 いつまで、どっちつかずでいるのか。 わたしは、今までに聞いたこともないような新しいことをする。 その時イスラエルは、わたしを尋ね求めるようになる。
23 イスラエルの神様である天の軍勢の主は、こう言います。 わたしが彼らを連れ戻す時、彼らはユダとその町々で、次のように言うだろう。 「義の本家よ。 きよい山よ。 神様があなたを祝福されるように。」
24 町の住民も、農夫も、羊飼いも、ともどもに平和で幸福な暮らしをするようになる。
25 わたしは疲れた者には休息を、悲しむ者には喜びを与えるからだ。
26 ここでエレミヤは目を覚まし、「こんな眠りなら、とてもあと味がよい」と言いました。
27 神様はこう言います。 わたしが、このイスラエルで人口をうんとふやし、家畜を増し加える時がくる。
28 以前この国を性懲りもなくこわしたが、今度は注意して築き上げる。
29 人々は二度と、「父親の罪のあとしまつを子供がさせられる」ということわざを、口にしなくなる。
30 だれもが自分の罪のために死ぬようになるからだ。 ほかでもない、すっぱいぶどうを食べた本人の歯が浮くのだ。
31 神様は言います。 わたしがイスラエルおよびユダの国民と、新しい契約を結ぶ日がくる。
32 それは、わたしが彼らの先祖の手をとってエジプトから導き出した時、結んだようなものではない。 彼らがそれを破ったので、やむなく、わたしは彼らを見捨てた。
33 新しい契約とはこうだ。 わたしは、わたしのおきてを彼らの心に刻みつける。 そのため彼らは、わたしをあがめたいという気持ちになる。 こうして、彼らは文字どおりわたしの国民となり、わたしは彼らの神となる。
34 その時はもう、互いに神を知るようにと忠告する必要はなくなる。 身分の高い者も低い者も、だれもがわたしを心底から知るようになるからだ。 わたしは彼らの罪を赦すだけでなく、それをすっかり忘れる。
35 日中は太陽の光を与え、夜を明るくするために月と星を与え、海をかき立てて大波を起こす天の軍勢の主は、こう言います。
36 もし、これらの自然界の法則がなくなるものなら、わたしはわたしの国民イスラエルを見限るだろう。
37 宇宙のすみずみまで正確に測られ、地中深くに埋めてある基礎が現われない限り、罪を犯したからといって、わたしが彼らを捨てることなどありえない。
38-39 神様は言います。 エルサレムの町全体が、わたしのために再建される時がくる。 北東の端にあるハナヌエルの塔から、北西にある隅の門まで、また南西にあるガレブの丘から、南東にあるゴアに至るまで、すべて建て直される。
40 墓地と谷にある灰捨て場を含め、全市が、わたしにとってきよいものとなる。 キデロン川に至るまでの畑ぜんぶ、そこから町の東側にある馬の門に至るまでの地区も、きよいものとなる。 これからは、二度と敵に踏みにじられたり、占領されたりはしない。