1 ダビデ王の子で、エルサレムに住み、「伝道者」と呼ばれたソロモンの教訓。
2 私はこの世に価値のあるものなどないと思います。 何もかも空しいのです。
3-7 人はあくせく働いた報酬として、何を手に入れるのでしょう。一つの時代は去り、新しい時代がきますが、少しも変わりばえしません。 太陽はのぼっては沈み、またのぼろうと、急いで元の所へ帰ります。 風は南に吹き、北に吹き、あちこち向きを変えますが、結局行き着く所もありません。 川は海に注ぎますが、海は決してあふれることはありません。 水は再び川に戻り、また海に流れて行きます。
8-11 何もかも、くり返しだけで、あきあきしてきます。 どれだけ見ていても満足はできません。 どれだけ聞いても、もうこれで良いということはありません。歴史はくり返すだけです。 ほんとうの意味で新しいものなど、何もありません。 たといあるように思えても、必ず前例があるか、すでにだれかが言いふるしたものです。 何か「これは新しいものだ」と指摘できるものがありますか。 それがずっと昔になかったと、どうしてわかるのですか。 私たちは、先の時代にどんなことが起こったのか、忘れてしまいます。 そればかりか、のちの時代には、私たちが今していることを、だれも覚えていないのです。
12-15 伝道者である私は、イスラエルの王で、エルサレムに住んでいました。 私は宇宙のあらゆることを理解しようと、全力を注ぎました。 その結果、神様が人間への分け前としてお与えになったものは、決して楽しいものでないことがわかりました。 それはみな、ばかばかしく、風を追うように空しいものです。 まちがいは直せません。 覆水盆に返らず、です。 以前あったかもしれないものを考えてみたところで、何の役に立つでしょう。