4 「ご存じのように、私はこの国ではよそ者です。 家内が死んでも、いったいどこに葬ったらよいのか……。 ほんのちょっとでけっこうですから、墓地にする土地を売っていただくわけにはまいりませんか。」
5-6 「どうぞ、どうぞ、遠慮はいりませんよ。 この辺でいちばん上等の墓地を選んでください。 あなたは信仰心のあつい、ご立派な方だ。 その奥様を葬るお役に立てるなら、私たちにとっても名誉というものです。」
7 なんというありがたい申し出でしょう。 アブラハムは深々と頭を下げました。
8 「ご親切に言ってくださり、お礼の申しようもありません。 おことばに甘えて、もしよろしかったら、ツォハルの息子さんのエフロンに、お口添え願えないでしょうか。
9 あの人の畑のはずれにある、マクペラのほら穴を売っていただきたいのです。もちろん、相場どおりの代金をお払いします。 そうすれば、家代々の墓地ができます。」
10 うまいぐあいに、エフロンもそこに居合わせました。 アブラハムの願いを聞くと、彼はさっと立ち上がり、一同の前で言いました。 町中の人々の前で、はっきり申し出たのです。
11 「わかりました。 あのほら穴と畑地は、ただで差し上げましょう。 さあ、みんなも聞いただろう。 お金はけっこうです。 ご自由に奥様を葬ってください。」