1 神様は、ノアと息子たちを祝福なさいました。 子供がたくさんでき、全地に増え広がるようにと命じたのです。
2-3 「野獣と鳥と魚はみな、おまえたちを恐れるようになるだろう。 おまえたちは動物を治めるのだ。 穀物と野菜のほかに動物も食用としてかまわない。
4 だが、いのちの源である血をすっかり抜き取ったあとでなければ、食べてはいけない。
5-6 殺人は禁止する。 人を殺した動物は生かしておくな。 同じように、殺人者も死刑だ。人殺しは、神に似せて造られた者を殺すことだからだ。
7 さあ、子供をたくさん生みなさい。 どんどん増え広がって、世界を治めるのだ。」
8 それから、ノアと息子たちに約束なさいました。
9-11 「おまえたちとおまえたちの子孫、それに生き残った鳥、家畜、野生の動物ぜんぶに、おごそかに誓う。 もう二度と洪水で世界を滅ぼしたりはしない。
12 その約束のしるしに、
13 虹を雲にかけよう。 この約束は、おまえたちと全世界に対し、この世の終わりまで効力をもつ。
14 雲が大地をおおう時、虹が雲の中に輝くだろう。
15 その時わたしは、いのちあるものを二度と洪水で滅ぼさないと、堅く約束したことを思い出そう。
16-17 雲間にかかる虹が、地上のすべての生き物に対する永遠の約束を思い出させるからだ。」
18 ノアの三人の息子はセム、ハム、ヤペテといいました。 このうちハムがカナン人の先祖にあたります。
19 この三人から世界のあらゆる国民が出ているのです。
20-21 さて、ノアは農夫となり、ぶどうを栽培して、ぶどう酒をつくるようになりました。 ある日、彼はぐでんぐでんに酔っ払い、裸のままテントの中で寝込んでしまいました。
22 ところが、それをカナンの父ハムが見たのです。 彼はあわてて外に飛び出し、二人の兄に、父親が裸で寝ていると話しました。
23 話を聞いたセムとヤペテは父の服を取りに行きました。 その服を自分たちの肩にかけ、二人並んでうしろ向きのままそろそろテントに入りました。 そして、父親の裸を見ないように注意しながら、服をずり落とし、体にかけたのです。
24-25 ノアは酔いがさめて起き上がると、とっさに何があったのか悟りました。 末息子のハムがしたことを知った時、彼はのろいのことばを吐きました。「カナン人〔ハムの息子カナンから出た民族〕はのろわれよ。セムとヤペテの奴隷になり下がれ。」
26-27 次にこう言いました。「神様がセムを祝福なさいますように。カナンは彼の奴隷となれ。神様がヤペテを祝福し、セムの繁栄にあずかる者としてくださいますように。カナンは彼の奴隷となれ。」
28-29 ノアは、洪水のあとさらに三百五十年生き、九百五十歳で死にました。