創世記 50:10-18 JLB

10  やがてヨルダン川を越え、アタデ〔「木いちごの打ち場」の意〕まで来ました。 ひとまずそこで、盛大な葬式を行なうことにしました。七日間、ヨセフの父の死を嘆き悲しむのです。 

11 土地のカナン人は、それからその場所を、アベル・ミツライム〔「エジプト人の嘆き」の意〕と呼ぶようになりました。 葬式の有様を見て、「あのエジプト人たちには、この葬式はよっぽど悲しいものなんだなあ」と言い合ったからです。 

12-13 こうしてイスラエルの息子たちは、父親の命令どおりにしました。 遺体をカナンの地へ運び、マクペラのほら穴に葬ったのです。 マムレの近くで、アブラハムがヘテ人エフロンから買った畑の中のほら穴です。

14  そのあとヨセフは、兄弟や、葬儀のために同行した人たち全員と、エジプトへ帰りました。 

15 ところが兄たちは、急に心配になってきました。 父親が死んでしまった今、どんな仕返しをされるかわかりません。「ヨセフにはずいぶんひどいことをしたからな。 今度こそ仕返しされるかもしれないぞ。」 

16-17 そこで、ヨセフに手紙を出しました。 「実は、父さんが死ぬ前に、言い残したことがあるのです。 われわれとあなたの仲を心配して、過ぎたことは水に流すよう言ってくれ、それだけが気がかりだ、ともらしていました。 われわれはあなたの父の神様に仕えるしもべです。 どうぞ、昔のことは赦してください。」 ヨセフは手紙を読むと激しく泣きました。

18  兄たちも気が気ではなく、わざわざ出向いて来ました。 「手紙でも申し上げたとおり、われわれはあなたの奴隷です。」 そろってヨセフの前にひれ伏し、恐る恐る言いました。