27 その日、アブラハムは早く起きて、神様と話をした場所に急ぎました。
28 ソドムとゴモラのあった平野を見渡すと、まるでかまどのように熱気がたちこめ、煙の柱が町のあちこちに立っているのが見えます。
29 しかし神様は、アブラハムの願いを聞き入れ、ロトのいのちを救ってくださいました。 町をおおい尽くした死の災いから、彼を救い出してくださったのです。
30 のちにロトはツォアルの人々を恐れて山へ逃げ、二人の娘といっしょにほら穴で暮らしました。
31 そんなある日、姉が妹に言いました。 「このあたりには男の人がいないし、お父さんも私たちを結婚させることなんかできないわ。 それにお父さんだってすぐ年をとって、子供をつくれなくなってしまうのよ。
32 だから、お父さんをぶどう酒で酔いつぶして、いっしょに寝ましょうよ。 うちの家系が絶えないようにするには、そうするしかないわ。」
33 相談がまとまり、二人はその夜、父親に酒を飲ませ、まず姉が父親のところに行きました。 しかしロトは、娘と寝たことはおろか、何一つ覚えていませんでした。