創世記 20:8-16 JLB

8  翌朝、王は早々と起き、宮殿で働く人々全員を集めました。 王から事のいきさつを聞いた人々はみな、恐ろしさに震え上がりました。

9-10 このあと、王はアブラハムを呼びつけました。 「いったいなんということをしてくれたのか。 こんな仕打ちを受ける覚えはさらさらありませんぞ。 もう少しで、私も国も、たいへんな罪を犯すところだった。 全く、あなたがこんなことをするとは……。 どうして、こんなひどいことを考えついたのか?」

11-12 アブラハムは答えました。 「実を言いますと、てっきりこの町は神様を恐れない町だと思ったのです。 『きっと、私を殺して妻を奪うだろう。』 そう思いました。 それに、あれが妹だというのはまんざら嘘でもありません。 腹違いの妹なのです。 私たちは兄弟で結婚したのです。 

13 そんなわけで、神様の命令で故郷を発つ時、あれに『これからどこへ行っても、おまえは私の妹だということにしてほしい』と頼んでおいたのです。」

14  アビメレク王は、羊と牛と男女の奴隷をアブラハムに与え、妻のサラを返しました。

15  「さあ、私の国をご覧なさい。 どこが気に入りましたかな。 どこでもお好きな所に住んでかまいませんぞ。」 王はアブラハムにこう言うと、 

16 サラの方を向いて続けました。 「あなたの『お兄さん』に、弁償金として銀貨一千枚を差し上げることにしよう。 それで万事まるく収めてもらえないだろうか。 こういうことは、きちんと片をつけておきたいのでね。」