20 「そりゃあまた、ずいぶん早く鹿をつかまえたもんだな。」「ええ、神様がすぐ見つかるようにしてくださったんですよ。」
21 「それはそうと、ちょっとこっちへおいで。 ほんとうにエサウかどうか、さわって確かめるからな。」
22 そばへ行ったヤコブを、イサクは手でなで回しながら、ひとり言のようにつぶやきます。「声はヤコブそっくりだが、この手はどう考えてもエサウの手だ。」
23 まんまと計略にひっかかりました。 もう祝福はこっちのものです。
24 「おまえ、ほんとうにエサウかい?」「ええ、もちろんですとも。」
25 「じゃあ鹿の肉を持っておいで。 それを食べて、心からおまえを祝福しよう。」ヤコブが料理を持って来ると、イサクは喜んで食べ、いっしょに持って来たぶどう酒も飲みます。
26 「さあここへ来て、わしにキスしてくれ。」