創世記 44:17-23 JLB

17  「それは許さん。 杯を盗んだ者だけが奴隷になればよい。 ほかの者は国の父のもとへ帰れ。」

18  その時、ユダが一歩前に進み出ました。 「恐れながら、ひと言だけ申し上げます。 なにとぞごしんぼうを……。 閣下は王様と同じように、今すぐにでも私を処刑することができるお方だということは、よく承知しております。

19  この前の時、父親や弟がいるかとのお尋ねでしたので、 

20 私どもは正直に申し上げました。 『はい、おかげさまで父は健在です。 それから年寄り子の弟がいます。 末の弟です。 その上にもう一人、母親が同じ兄もいたのですが、ずっと前に死んで、この子だけが残りました。 そんなわけで、父はもう、目に入れても痛くないほど、かわいがっておるのです。』 

21 それを聞いて閣下は、『ぜひその子に会いたい。 ここへ連れて来るように』とおっしゃいました。 

22 私たちは困って、『あの子は父親のもとを離れることはできません。 そんなことをしたら、まるで父のいのちを縮めるようなものです』と申し上げましたが、 

23 お聞き入れにならず、『いや、ならん。 その末の弟を連れて来なければ、二度とここへは来るな』と言われたのです。