1 今度は、ツロについての神様のお告げです。遠い国から来るタルシシュの船よ、なくなった母港のために思いっきり泣きなさい。 キプロスで聞いたうわさは全部ほんとうだったのです。
2-3 どこもかしこも死の静寂がおおっています。 海の向こうから、また、エジプトとナイル川沿いの地から商品を運んで来たシドンの船でいっぱいになり、大いににぎわっていた、かつての貿易中心地は、今ではひっそり静まり返っています。
4 海の要塞であるシドンよ、今はもう子〔ツロ。 シドンの植民地〕がいないのだから恥じなさい。
5 エジプトがこのことを聞いたら、悲しみにくれるでしょう。
6 ツロの人たちよ、泣きながらタルシシュへ逃げなさい。
7 物言わぬ廃墟が、かつては喜びの声にあふれていた地の、ただ一つの名残です。 輝かしい歴史を振り返り、遠くにあった植民地の一つ一つを思い出しなさい。
8 だれが、大帝国を築き上げて世界貿易の王者にのし上がったツロを、こんな悲惨な目に会わせたのでしょう。