1 だが、イスラエルよ、あなたを造った神様は、今こう慰めてくださいます。 「わたしが敵の手から買い戻してやったのだから、こわがるな。 わたしはおまえの名を呼んだ。 おまえはわたしのものだ。
2 たとい水の中をくぐり、大きな困難にぶつかっても、わたしはそばにいる。 悩みの川を渡る時も、おぼれはしない。 反対の火の手が上がり、そこを突き抜けていく時も心配はない。 炎はおまえを焼き殺さないからだ。
3 わたしは主、おまえの神、おまえの救い主、イスラエルのきよい神だ。 わたしはおまえを自由の身とする代わりに、エジプトとエチオピヤとセバを〔クロスに〕与えた。
4 おまえを生かすために他の者が犠牲になった。 おまえのいのちを買い戻すため、他の者のいのちで取り引きした。 わたしにとっておまえは、愛してやまない、かけがえのない国民だからだ。
5-6 わたしがついている。 こわがるな。 わたしはおまえを東西南北から集める。 地の果てから、息子や娘をイスラエルへ連れ戻す。
7 わたしを神として拝む者はみな来る。 わたしはそのような人たちを、わたしの栄光のために造った。
8 わたしが呼ぶと、急に目も見えず耳も聞こえなくなってしまう者たちを、わたしのもとへ連れ戻せ。
9 国々の民を集めよ。 どの偶像が、このようなことを前もって知らせたか。 どの偶像が、一日先のことでも予告できるか。 どこに、彼らのことばを少しでも聞いた証人がいるか。 そんな者は一人もいない。 だとしたら、預言できるのは神だけだと認めないわけにはいくまい。
10 だが、わたしには証人がいる。 イスラエルよ、おまえたちがわたしの証人、わたしのしもべだ。 わたしを信じ、わたしだけが神であることを知るために選ばれたのだ。 わたしのほかに神はない。今までも、またこれからも。
11 わたしが主であって、ほかに救い主はいない。
12 おまえが偶像を投げ捨てるたびに、わたしは力を示した。 ただのひと言で、おまえを救った。 おまえはわたしの救いをその目で見たのだから、わたしの証人だ。
13 永遠から永遠まで、わたしは神だ。 わたしが何かをしようと身構える時、その前に立ちはだかる者は一人もいない。」
14 あなたを贖うイスラエルのきよい神様は、こう宣言なさいます。「わたしはおまえのために、バビロンに軍隊を侵入させる。 それもほとんど無傷のままだ。 おごり高ぶっていたバビロニヤ人は、恐怖の叫びをあげる。
15 わたしは主、おまえのきよい神、イスラエルを造った者、おまえの王だ。
16 水の中に道を開き、海底を横切る道を造る主だ。
17 わたしはエジプトの強力な軍隊を、戦車や馬もろとも海底のもくずとした。 彼らのいのちは燈心のように吹き消された。
18 だがこんなことは、これからすることに比べたら物の数ではない。
19 わたしは全く新しいことをしようとしている。 いや、すでに手をつけた。 おまえの目には見えないか。 わたしの国民が故国へ戻るために、荒野に道を造り、彼らの飲み水として砂漠に川を開くのだ。
20 野の獣、山犬、だちょうは、荒野に水がわき出たというので、わたしに感謝する。 わたしに選ばれた国民は、この砂漠の泉でのどをうるおし、元気づく。
21 わたしはイスラエルを自分のために造った。 この国民は、いつかきっと、世界中の人々の前でわたしをあがめるようになる。
22 だがイスラエルよ、おまえはわたしの助けを求めなかった。 わたしにいや気がさしたのか。
23 完全に焼き尽くすいけにえ用の子羊を連れても来ず、供え物をささげて、わたしをあがめもしなかった。 わたしが自分からいけにえや香料を要求したことは、ほとんどない。 おまえたちを奴隷扱いしたこともない。
24 それなのに、わたしのために香りのよい香を買いもせず、いけにえの脂肪でわたしを喜ばせようともしなかった。 それどころか、贈り物といえば罪だけで、ありとあらゆる欠点を見せつけ、わたしをうんざりさせた。
25 だから、わたしがおまえたちの罪をぬぐい去り、それを二度と思い浮かべないのも、自分のためだ。
26 この罪の赦しの約束を思い出させてくれ。 さあ、おまえたちの罪について話し合おう。 赦してほしければ、おまえたちのほうから申し立てよ。
27 おまえたちの先祖は最初から、わたしに罪を犯し、一人残らずわたしのおきてに背いた。
28 だからこそ、わたしは祭司たちを首にし、イスラエルを滅ぼし、辱しめられるままにしておいたのだ。」