1 次にあげるのは、マサの人(アラビヤ半島の中央部以東に住む、イシュマエルの子孫)でヤケの子アグルが、イティエルとウカルに教えたことです。
2 ああ神様! 私はくたくたで、今にも死にそうです。 おまけに、人間の資格さえないような大ばか者です。
3 だいいち神様はもとより、人間というものがわかりません。 それがわかるのは神様だけです。
4 神様のほかにだれが、天と地の間を上り下りしたでしょう。 だれが風や海を思いのままに造り、治めているでしょう。 神様のほかにだれが、世界を造ったというのでしょう。 いるとしたら、どこのだれで、子供は何という名前ですか。
5 神様はほんとうのことしか言わず、頼って来る者をみな守ってくださいます。
6 だから、神様の言うことに余計なつけ足しをして、うそをついたと言われないようにしなさい。
7 ああ神様! 最後の二つの願いを聞いてください。
8 私が決してうそをつきませんように。 それから、私を特に貧乏にも金持ちにもせず、ただ生きるのにどうしても必要なものだけを与えてください。
9 ぜいたくに慣れすぎて神様を忘れたり、貧乏のあまり盗みを働いて神様の顔をつぶしたりしたくないのです。
10 雇い主に従業員の悪口を言ってはいけません。 そんなことをしたら恨まれるだけです。
11-12 親をのろい、悪いことばかりしているくせに、自分は少しも欠点がないとすます者がいます。
13-14 そんな連中は自分のことを鼻にかけ、人を人とも思いません。 貧しい人を食い物にしようと、いつも歯をとぎすましているのです。
15-16 蛭のようにしつこく、いつまでも満足しないものが二つ、三つ、いいえ四つあります。地獄、不妊の胎、かわききった砂漠、それに火です。
17 父親をばかにし、母親を軽べつするような者は、からすに目をほじくられ、はげたかの餌になります。
18-19 どんなに考えてもわからないことが三つ、いいえ四つあります。どのようにしてわしは大空を飛び、どのようにして蛇は岩の上をはい、どのようにして船は海を横切る道を見つけ、どのようにして若い二人の間に愛情が芽生えるのでしょう。
20 わからないことがもう一つあります。 どうして売春婦は、悪いことをしながら、あつかましく「いったい、どこがいけないのさ」と言えるのでしょう。
21-23 地も震えるほどいやなことが三つ、いいえ四つあります。奴隷が王になり、謀反人が成功し、きらわれ女が結婚し、女中が女主人に取って代わることです。
24-28 体は小さくても、頭の良さでは何にも負けないものが四つあります。力はなくても、冬の食糧を集める蟻、弱くても、岩の間に住んで身を守る岩だぬき、指導者がなくても、いっしょに行動するいなご、簡単に捕まるけれど、王宮にでも住みつくやもりです。
29-31 地上に堂々としたものが三つ、いいえ四つあります。こわいものなしの百獣の王ライオン、くじゃく、雄やぎ、軍隊を指揮する王です。
32 得意になって悪いことをするのはばかです。 少しは恥ずかしいと思いなさい。
33 クリームをかきまぜるとバターができ、鼻にパンチをくらわせると血が出るように、人を怒らすとけんかになります。