1-3 知恵が叫んでいるのが聞こえませんか。 丘のいただきや道ばた、町の門、四つ角、家々の玄関で、知恵は叫んでいます。
4-5 「皆さーん、あなたがたは何もわかっていない。 ばかなことばかりしている。 だから、わからせてあげよう。
6-7 いいか、これは大切なことだ。 私はごまかしは大きらいだから、絶対にうそはつかない。
8 皆さんのためになること、正しいことしか言わない。
9 聞く気があれば、だれにでもすぐわかること、
10 それでいて、銀や金よりも値打があることを教えるのだ。」
11 知恵は宝石よりずっと値打があります。 どんな物も比べ物にならないほどです。
12 知恵のある人は正しい判断ができます。 知恵がその人に、いろいろなことを教えるからです。
13 神様をばかにせず大切にする人は、悪いことがきらいです。 そうです。 知恵のある人はみな、自分を鼻にかけて偉ぶったり、汚職や詐欺を働いたりすることが大きらいなのです。
14-15 「私は知恵だ。 ためになることを教えてあげよう。 王が国を治めるのも、裁判官が正邪を見分けるのも、みな私のおかげだ。
16 国の指導者は私がいなければ正しく治めることはできない。
17 私は、私を愛する人を愛するから、熱心に捜せば必ず私を見つける。
18 そして、富と名誉、正しいことを行なう力を手に入れるのだ。
19 それが私の贈り物、純金や混じり気のない銀よりもすばらしい。
20 私はだれをも正しく扱い、えこひいきはしない。
21 だから、私を愛し、私の言うことを守る人はみな、あらゆる面で裕福になれる。
22 神様は創造のみわざを始める前に、まず私をおつくりになった。
23 永遠の昔から、まだ地球もない大昔から、私はいた。
24 海もなく、泉もなく、
25 山や丘がそびえる以前から、私はいた。
26 神様が大地や草原を造られる以前に、私はすでにいたのだ。
27-29 神様が大地の上に天を広げ、海の底から大きな泉をわき上がらせた時、私はいた。 海と陸の境界線を決め、水があふれないようにされた時も、私はいた。 そうだ。 神様が大地と海の青写真をつくられた時、私もいたのだ。
30 私はいつも神様といっしょに働き、子供のように毎日そばにいて、神様を喜ばせた。
31 そして神様が造られたこの世界で、人間たちと楽しく過ごした。
32 だから、私の言うことを聞きなさい。 私の命令を守ることが幸福の鍵だ。
33 私の言うことを聞いて、知恵のある人になりなさい。 耳をふさいではいけない。
34 なんとしてもいっしょにいたいと、毎日門の前で、私が出て来るのを待ちかまえている人はしあわせだ。
35 私を見つける人は充実した人生を送り、神様にほめられる。
36 しかし私を見失う人は、自分をだめにする。 私の忠告をはねつける人は死を愛しているのだ。」